約 5,312,472 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/24503.html
登録日:2011/02/27(日) 21 01 47 更新日:2024/05/20 Mon 23 28 09NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 TCG トレカ ブシロード ヴァイスシュヴァルツ 版権TCG ヴァイスシュヴァルツとは、2008年からブシロードより発売されているTCGである。 人気はそこそこ高く、売上は版権モノ・オリジナル問わずブシ製TCGの中でもトップクラス。 このゲームの特徴は複数の作品からなるカードゲームであることである。 参戦タイトルは有名どころが多く、毎年複数の作品が参戦している。しかしよくよく考えてみるとアニメキャラや版権キャラをなぜ使役できるのだろうか... もともと参戦作品はリトバス・DCなどギャルゲーが中心だった。 現在ではギャルゲーは同社から発売されているChaos TCGに参戦することが多くなり、参戦作品はヒットした近年の深夜アニメやアプリゲームなどが中心になってきている。 かと思えばクレヨンしんちゃんとかギガントシューター つかさなどの意味不明な作品の参戦もある。 またグレンラガンのように唐突にかなり前の作品が参戦したり、カードキャプターさくらのように「海外限定」だったはずのタイトルが参戦することも。 また、作品参戦が長期化したのもあってか原作の絵のみのブースターであったり、文庫全体で参戦するブースターであったり、 Chaosが終了したのもありChaosに参戦していたタイトルがこちらに参戦しなおすことも増えてきていて、販売当初より大きく参戦作品の幅が広がっている。 少なくともハリウッド映画だったり、自社のものとはいえ他のカードゲームのアニメがそのまま参戦したカードゲームは後にも先にもこれぐらいだろう。 妹分として、女性向けにターゲットを絞りルールを簡略化した「ヴァイスシュヴァルツブラウ」も発売されている。立ち位置としてはMTGにおけるデュエルマスターズやOCGにおけるラッシュデュエルが近い。ミッキーマウスとちいかわが殴りあえるのはヴァイスブラウだけ 主な参加作品 以下に参戦タイトルを記述。現在進行形で増えているのでその度追記。 原作が存在するものは特に注釈がなければ基本的にアニメ版が参戦している。 〇ヴァイスサイド + 参戦タイトル一覧 リトルバスターズ!シリーズ(原作、エクスタシー、アニメ、アニメRefrain、カードミッション、20th Anniversary) Angel Beats!(アニメ、20th Anniversary) Rewriteシリーズ(無印、Harvest festa!、アニメ版、20th Anniversary) CLANNAD(アニメ版、20th Anniversary) Charlotte(アニメ、20th Anniversary) Key 20th Anniversary(上記5作品の追加及び、追加カードのみで構築も可能) Summer Pockets D.C.シリーズ(II、III、アニメ版III) ゼロの使い魔シリーズ(無印、F) 魔法少女リリカルなのはシリーズ(StrikerS、A's、The MOVIE 1st、The MOVIE 2nd) 涼宮ハルヒの憂鬱(アニメ版、スニーカー文庫) とある魔術の禁書目録II/とある科学の超電磁砲シリーズ(無印、S) DOG DAYS、DOG DAYS' 灼眼のシャナシリーズ(II、-Final-) 魔法少女まどか☆マギカシリーズ(TV版、劇場版[新編]叛逆の物語、マギアレコード) 戦姫絶唱シンフォギアシリーズ(無印、G、GX、AXZ、アプリ版、XV) ニセコイ ガールフレンド(仮) カードキャプターさくら(クリアカード編) アイドルマスター シンデレラガールズ 角川スニーカー文庫(一部は別タイトルとしても参戦) 富士見ファンタジア文庫(一部は別タイトルとしても参戦) けものフレンズ 幻影ヲ駆ケル太陽 この素晴らしい世界に祝福を!(無印、2、スニーカー文庫、紅伝説) ご注文はうさぎですか?(2期、Dear My Sister、3期) 冴えない彼女の育てかた(無印、♭) 青春ブタ野郎シリーズ(アニメ、劇場版) 宇宙をかける少女/舞-HiME&舞-乙HiME To LOVEる -とらぶる- ダークネス(2nd) 日常 BanG Dream!(アニメシリーズ二種、アプリ版二種、エクストラブースター2種) ひなろじ ~from Luck & Logic~ ビビッドレッド・オペレーション ViVid Strike!※リリカルなのはとは別作品扱い Phantom -Requiem for the Phantom- ゆらぎ荘の幽奈さん らき☆すた ラブライブ!(アニメ・劇場版及びスクールアイドルフェスティバル) ラブライブ!サンシャイン!!※無印とは別作品扱い(アニメ及びスクールアイドルフェスティバル) ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 feat.スクールアイドルフェスティバル ALL STARS ラブライブ!スーパースター!! Robotics;Notes(原作版) デート・ア・ライブ(アニメ一期及びデート・ア・バレット) 彼女、お借りします プリンセスコネクト!Re Dive(アニメ版一期) 神様になった日 五等分の花嫁(一期・∬) ホロライブプロダクション …etc. ●シュヴァルツサイド + 参戦タイトル一覧 ペルソナシリーズ(3、4、4 the ANIMATION、4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ、シャドウ オブ ザ ラビリンス) 魔界戦記ディスガイアシリーズ(1、2、3、4、D2) Fateシリーズ(stay night(原作)、hollow ataraxia、Zero、ufo版UBW、HF、HFvol2) Fate/Apocrypha※原作Fateとは別枠扱い Fate/Grand Order※原作Fateとは別枠扱い Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤシリーズ(無印、ツヴァイ!)※原作Fateとは別枠扱い シャイニングシリーズ(イクサ、レゾナンス) FAIRY TAIL 戦国BASARA THE IDOLM@STERシリーズ(1、Dearly Stars、2、アニメ、MOVIE 輝きの向こう側へ!、一部のミリオンライブ) 探偵オペラ ミルキィホームズシリーズ(1、2、セカンドステージ エディション)※ゲーム版、アニメ版両方が参戦 物語シリーズ(化物語、偽物語、セカンドシーズン) ソードアート・オンラインシリーズ(I、II、アリシゼーション、10th Anniversary) ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン(本編とは別タイトル扱い) 初音ミク -Project DIVA-シリーズ(ブースター3種) 艦隊これくしょん -艦これ-(通常ブースター4種、深海棲艦ブースター1種) アイドルマスター ミリオンライブ! アクセル・ワールド(アニメ版、劇場版) アサルトリリィ GODZILLA うーさーのその日暮らし ヱヴァンゲリヲン新劇場版 おそ松さん オーバーロード(アニメ版) 刀語 CANAAN キズナイーバー 境界のRINNE キルラキル THE KING OF FIGHTERS ギルティクラウン グリザイアの果実(原作ゲーム版、vol2(迷宮以降含む)) クレヨンしんちゃん マクロスF(劇場版) ゴブリンスレイヤー PSYCHO-PASS サイコパス STEINS;GATE 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(アニメ版、Re LIVE) 進撃の巨人(ブースター2種) 新サクラ大戦 ジョジョの奇妙な冒険 翠星のガルガンティア スクールガールストライカーズ STAR WARS ダーリン・イン・ザ・フランキス チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~ 超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ テラフォーマーズ デビルサバイバー2 天元突破グレンラガン 転生したらスライムだった件 ノーゲーム・ノーライフ ブラック★ロックシューター ぷよぷよ Re ゼロから始める異世界生活(アニメ1期二種、memory snow、氷結の絆) ログ・ホライズン ロストディケイド 痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 アイドルマスター シャイニーカラーズ かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ ワールドトリガー …etc. カードプールが少なかった頃は作品を混ぜてデッキを組む「スタンダード構築」が一般的だった。 また、「ヴァイスサイド限定構築」・「シュヴァルツサイド限定構築」という、サイドごとにデッキを組む構築ルールもあった。 上記の作品分類はその頃の名残である。 が、カードプールが大幅に増加した現在では、作品ごとにデッキを組む「ネオスタンダード構築」が一般的となっている。 スタンダード構築やサイド限定構築でデッキを組んでいる人はまずいないので、サイドの分類はほとんど意味のないものになっている。 ただし、現在でも大型大会などでは「サイド枠」と言われる若干勝っていなくても使用サイドのデッキによっては上位卓に残れる可能性もあるので、 環境次第ではそのデッキの所属サイドが役に立つことが稀にある。 プレイヤーの年齢層は、学生~社会人まで幅広い。 また、前述のネオスタンルールによって自分の好きな作品だけでデッキが組めるので、ライトユーザー受けは非常に良い。 特にこの手のキャラゲーでは珍しく、同名カードを複数場に出せるのでキャラ単も組みやすい。 まあ実際のところ、タイトル内で組み合わせた方が強いことが多いが。特にキャラ単及びユニット単構築も推奨された五等分の花嫁やシャニマスなどはその傾向が強い。 ただこれらも発売記念のイベントなどでは単構築が必要なので(そういう時に限って強いPRが多かったりする)単構築を目指すうまみはある。 ルールは非常に単純で、どのタイトルにも似たようなカード(互換カード)が非常に多く存在することから、 タイトルごとの大きな差が少ないのが特徴。 (タイトルごとの特徴は、レベル3の効果が独自効果になっていたり戦法が原作再現されていたりする) その分非常に運要素が高いカードゲームとなっており、この点が最大の長所であり短所でもある。 ただ、確かに運要素が強いと言っても、完全に運だけで勝てるほど甘くないゲームでもある。 その為、対戦中にはデッキ圧縮などを行っていくのが重要である為、運を引き寄せるためにプレイしていくカードゲームでもある。 とあるやニセコイなど、その当時としてはぶっ飛んだ強さを持つタイトルも現れるものの、パワーインフレのスピードは比較的緩やか....だったが現在では環境で1年持てば良い方とどこぞのルールは一見複雑そうだけど複雑なカードゲームよろしく環境の高速化が進んでいる。 過去のタイトルに対しても追加パックが発売されたり、カムバックキャンペーンとして追加PRカードが発行されることも多い。ただし、参戦している作品のメディアミックス展開が終了してしまうと、新規カードが追加されなくなってしまうため、デッキ選びは慎重に。 以上の点から、自分の好きなタイトルだけ使っていても、 最新のデッキに対して勝てるチャンスが十分に有るのがこのゲームの最大の魅力だといえる....のも過去の話であり、現在はインフレが進みすぎてもはや古いタイトルは、強化が来ないと基本的に最新タイトルに過去のタイトルは太刀打ちできないレベルになっている。 大会も頻繁に行われていて、各所のカードゲームショップで毎週行われるショップ大会から、年に3回行われる地区決勝、決勝大会等がある。 禁止、制限カードも複数存在する。 また、他のカードゲームに比べ、制限の掛け方として○種から1種のみ投入可能、という制限が多めなのが特徴。 PSPでゲーム化されたこともある。 しかし参戦作品が少ないうえに、読み込みがやたら遅かったり、CPUがあまり賢くなかったりで評判が良くない。 【パックとトライアルデッキ】 1パック330円のブースターパックと500円のエクストラパックがあり、 遊戯王など一般的なTCGよりも1パックあたりの値段は高い。 また、増税などの影響もあり現在では通常ブースターは400円となっている。 作品によってはパックやデッキに、絵師や声優の箔押しサインカードが入っていることがある。 この金券銀券も、ブースターの値段改正で仕様が変更になり箱の中に直接入っているかいないかになった。 構築済みのトライアルデッキは1300円で買える。 一時期のトライアルデッキは使いものにならないレベル3が封入されていることが多く、あまりおすすめできなかったが、 現在では比較的優秀なカードが封入されていることが多くなったので初心者から上級者まで買って損はない。 同名カードは4枚まで積めるが、トライアルデッキには有力な同名カードが2枚づつしか入っていないものも結構ある。 初心者はまず組みたい作品のトライアルデッキを2個買って組み合わせるのがおすすめ。 ちなみに現在は必ずTDにもサインが存在する。その為下手に汎用性があるとブースターのサインを超えた値段になることも… 【カードの種類】 大きく分けて3種類のカードがある。 キャラクター 主に攻撃をしたり、他のキャラを支援したりするカード、 他のカードゲームでいうモンスターやクリーチャー。 イベント 他のゲームでいうところの魔法や呪文カードのような働きをするカード。 キャラクターと違って攻撃に参加できないので事故要素になりやすく、採用枚数は基本的に少なめである。 クライマックス このゲームの攻撃&防御の要で、必ずデッキに8枚投入する。略語はCX。 〈色〉 カードゲームに欠かせない要素である「色」だが、このゲームでは赤青緑黄の4色で構成されている。 レベル1以上のカードの運用時にはクロックかレベル置き場に運用したいカードと同色が存在しなければならない(例外有り)。 能力傾向としては、 赤 回収、バーン 青 回復、ドロー 緑 ストック、パワー 黄 ソウル、バウンス が基本となる。 が、10年以上経つに連れてだんだん効果の傾向が曖昧になってきており、現在では全色に回復もパワーを出すカードも、バーンも回収も存在するようになっている。 また、CXのカードのトリガー効果は各色専用のものが存在する。 各色専用の特殊トリガー効果の詳細は以下。 (正式名称と通称及びトリガー効果を記載する) 赤 カムバックアイコン(扉。控え室のキャラを一枚回収できる) スタンバイアイコン(電源。自分の控室から好きな枠にレストした状態で自分のレベル+1のカードを色発生を無視して置く。この効果はクライマックスフェイズで手札から置いた時にも発生する。) 青 ドローアイコン(本。デッキから1枚ドローできる。他の回収系アイコンと異なり、ドローである為リフレッシュを挟んだ場合でもドロー可能) ゲートアイコン(門。控え室から1枚クライマックスカードを回収できる) 緑 プールアイコン(袋。山札の上から1枚をストックに置ける) トレジャーアイコン(宝。トリガーしたら手札に加える。トリガーしたカードの代わりに、山札の上から1枚をストックに置ける) 黄 ショットアイコン(炎。次に与えるダメージがキャンセルされたら追加で1ダメージ与える。また性質上バーンメタを無視できる) リターンアイコン(風。相手のキャラを1枚手札に戻すことが出来る。) チョイスアイコン(枝・矢印。控え室からソウルのあるキャラを回収するか、控え室からソウルのあるキャラをストックに1枚置くことが出来る) 主に使用されるのは1色~3色を組み合わせたデッキ。 4色デッキを組むことも可能だが、プレイングが難しくなるのでおすすめしない。 0のカードはプレイに制限が掛からないので4色になってる例もちらほらあるが。 〈レベル〉 クライマックス以外のカードにはレベル0からレベル3までそれぞれレベルが割り振られている。 ゲームのはじめに使えるのはレベル0で、ゲームの進行に従って順番にレベル1、レベル2、レベル3が使えるようになる。 レベルが上がるほど強力な効果を持つようになるが、 当然高レベルのカードばかり入れても勝つことはできないのでバランスが重要になる。 だいたいどのデッキでもLv0が16~20、Lv1が10~12、Lv2は4~6、Lv3は4~8ぐらいが目安となる。 が、これはあくまでも目安なのでデッキによっては経験の必要性からL3を多くとるなどの独自分配が必要になる。 【基本的なルール】 デッキは50枚で同名カードは4枚まで、クライマックスは合計8枚まで入れる事が出来る。 先攻1ターン目は1度しかアタックできない(例外有り)。 攻撃されるとデッキからクロックにカードを置き、7つ溜まるとレベルが1つ上がる。先にレベルが4になった方が負け。 攻撃を受けた際にクライマックスを捲ると、その時点でデッキを捲るのをやめその時受けた攻撃のダメージを全てキャンセルする。 ライブラリアウトは無く、デッキが切れると控え室をシャッフルしデッキゾーンに置き、1番上のカードをクロックに置く。 如何なる場合もこの操作は優先される(クライマックスでもキャンセルはしない) つまり、レベル3でクロック6の場合、リフレッシュが発生したら強制敗北。これを狙う戦術も立派な勝ち方である。 これ等の性質上、他のカードゲームではまず重要視されにくいライフアドバンテージが中盤以降のゲームでは非常に重要となっている。 また、レベルに関係なくダメージそのものはアタックされたら発生するため基本的にどんな局面でも自分のターンが回ってこれば勝ちが狙える点で気軽に遊べるという意味では他のカードゲームの追随を許さない。 また10年以上経ってなお、エクストラデッキが存在しないため、メインデッキさえあれば遊べるのも大きい。 【用語】 思い出 何らかの効果により、ゲームから除外されたカードを置く場所。 基本的に回収できない領域だがタイトル次第によってはコンセプトとして回収可能であったり、この部分にカードを貯めたりすることによる「圧縮耐久」戦術を持つ。 相手のカードを触れられない領域に置くの事態は強いのだが、相手の圧縮率が上がるデメリットもある。 アンコール キャラが舞台から控え室へと置かれた時に、コストを3点支払うことで、そのキャラを直前にいた枠にレスト状態で戻すことができる効果のこと。 この効果は全てのキャラクターが持っている(バニラ含む)共通テキストであるが、その他のコストを払ってアンコールする効果もあったり、 デメリットとして通常より軽いアンコールを可能とするテキストを相手に付与する効果もある。 レスト カードを横向きにする行為、または状態で普通は右向きにすること。 攻撃したり、レストコストを要求する能力で使ったりする。 クロック このゲームにおけるプレイヤーへのダメージの事。 先述の通り、7枚溜まると1レベルが上がる。その際にはその7枚の中から1枚を選んでレベル置き場に置き、 残りのカードは全て控え室に置く。 リフレッシュ処理と重なると複雑になりやすいことに定評がある。 レベル置き場 クロックが7枚溜まったときに1枚を選んで置く場所。 基本的には触れられないが、特定のカードの効果で入れ替えたり、裏返したり、参照したりする。 この部分のカードを参照するのが「経験」と呼ばれる能力である。 コスト キャラクター及びその能力、イベント等をプレイする際に支払わなければいけない代償。 レベルの下に記載されている。 ソウル キャラクターの名前枠の下にあるヴァイスシュヴァルツマークの事。この数がフロントアタックした時の相手デッキへの基本攻撃力となる。 基本的には0~2のカードは1、3は2だが、一部のレベル2のカードは2を、極一部のレベル3のカードは3を持つ。 またカードの右上にこれを持つカードもある。それらのカードを攻撃時のトリガーチェックでトリガーしたとき、 その分だけキャラクターのソウル値を追加する。 フロントアタック/サイドアタック/ダイレクトアタック ヴァイスの攻撃の際の最大の特徴の一つ。 相手にダメージを与えるのはアタックするのだが、これが3種類に分かれている。 フロントアタックは、相手のキャラクターと戦う。パワーを比べて低いほうが負け、リバースされる。 ただし、ソウルによるダメージは減衰せずに相手に通る。この性質がある為、いくら盤面が負けていても勝ち目はあるのである。 ただし、フロントアタックは直接戦うということなので、カウンターアイコンを持つカードを使用できてしまう。 これによってリバースを回避されたり、ダメージを防がれたりより不利にされることもある。 その次にサイドアタック。これは、相手にキャラが居てもそれを無視してアタックすることができ、バトルが発生しないもの。 その為先述のカウンターを撃つことはできないという利点がある。 ただし、デメリットとして相手のキャラのレベル分だけマイナスまで割り込む形でソウルが減衰されるという欠点もある。 最後にダイレクトアタック。これは自分のキャラの正面に相手のキャラが居ないときに強制的に行われるアタックで、 サイドアタックと同じくバトルが無くカウンターが撃たれない。 また、相手に素通ししていることからソウルが1上昇する。 確かに有用だが、キャンセルが存在するヴァイスでは相手のキャンセル率が上がるというデメリットともなりうるので、よく考える必要がある。 特徴 カードの右下にあるそのキャラの特徴。存在しないカードもある。 いわば他のカードゲームで言う「種族」に相当するもので、タイトル内では統一されていることも多く、この特徴を参照するカードも多い。 それと同時に、タイトル特徴の強化を抑えるために新特徴を持っているカードがメインで新カードが追加されることもある。 控え室 使い終わったカードを置く場所。山札が無くなったらここから補充される。 CIP 場に出た時に誘発する能力。Comes Into Play(場に出る)の略。 ヴァイスは意図的に「手札から、もしくは特定のカードの効果で出た時」という一文が記載されることが多く、 安易なリアニメイトなどで誘発しにくいように調整されているカードもかなり多い。 パンプアップ パワーを上げること。略してパンプとも言う。 シナジー カード同士の噛み合わせの事。 早出し いわゆる「特定の条件を満たしているときに、自分の現在のレベルより高いキャラクターを出す」ことの総称。 その方法としては各キャラが効果を持っている場合だったり、 (「控え室のCXが6枚以上、2枚以下」「特定の特徴を持つキャラが盤面に〇枚以上」 「特定のカードがクロック・盤面に存在する」「レベル置き場のカードが特定のカード、置いたカードのレベル合計が〇以上」など様々) スタンバイアイコンの効果を利用したり、「チェンジ」という能力を利用して出したり(特定の高レベルカードと入れ替わる効果を持つキャラが居る)、 イベントカードの効果を利用するなど、様々な方法で行うことが出来る。 特に現在のヴァイスではレベル3のキャラクターをレベル2の時に出すのは基本戦術の一つであるために、 この戦術に対するメタカードも存在するため、使いどころの駆け引きがある。 CXコンボ キャラクターカードが持つ(稀にイベントカードにも存在)、「特定のクライマックスカード」に関する効果。 他のプレイヤー間での通称として、「連動」「CXシナジー」などとも呼ばれる。 大多数はクライマックスフェイズに特定のCXが置かれることによって誘発したり発動できる効果であるが、 たまに「控え室から特定のCXを回収する効果」だったり、「手札からアタックされたときに特定のCXを捨てて発動する効果」も存在する。 強力な効果が多いが、これを使うということはターン終了時まで盤面に残ることだったり、手札に握り続ける必要がある為 ヴァイスシュヴァルツの基本的な戦い方である「クライマックスのデッキ内比率を高くしていく」と反するので、その面での駆け引きが重要になる。 現在ではほとんどのタイトルの切り札にはこの能力が付けられることが定番になっている。 レアリティ このゲームの通常レアリティは、キャラクターカードとイベントカードはC、U、R、RR、RR+(一部のブースターのみ)となっており、 クライマックスはCC、CRとなっている。 昔は一切のタバック加工が無かったが、現在ではR以上のカードはタバック加工されている(CRにはされていない) この部分までのカードを使ってデッキを組む分には実は安く済むのが特徴。さらに言えばこれ以外のレアリティのカードは全てコンパチブルカードである。 (たまに古めのタイトルの追加が来た時に必須パーツが暴騰することもあるが…) だが、ヴァイスのカードは高いというイメージがあるとよく言われる。 というのも、これら以外の光り物の(ホイル加工)封入率がかなり低いため。 現在ではSR(サインが無いカードのキャラ・イベントの光るカード)、RRR(クライマックスカードの光り物)まではそれほどではないが(強いRRのSRや対応CXのRRRは高騰もあるが)、 SP及びSSP、SECと言ったカートン単位での封入率の箔押しの声優サインが入ったカード、各ブースター専用の箔押しカードに手を出すと膨れ上がっていく。 特にこのSSPを多数要するBanG Dream!やラブライブ及びサンシャインのフルレアデッキを作る場合、覚悟した方が良い。 BanG Dream!に至っては、通常ブースターで出るにもかかわらず、20万程するカードが存在するため、フルレアを組むと100万掛かると言われている。 ただ先ほども記載した通り、普通に遊ぶ分には高額カードを殆ど要求されないので、ブシロードのゲームとしてはかなりお財布に優しいゲームである。 余談だがタイトルの意味は、 ヴァイス…白 シュヴァルツ…黒 ドイツ語で白黒という意味である。 追記・修正は白黒はっきりつけてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] クレヨンしんちゃんワロタwwwwwwww -- 名無しさん (2013-11-06 19 30 02) 焼き増しの効果が多くて別に作品を分ける必要があるのか疑問 よく言えばどのデッキでも勝てるいいゲームバランス、悪く言えばどのデッキ使っても代わり映えのない運ゲー -- 名無しさん (2013-11-06 19 51 28) クライマックス引かれまくってキャンセルばっかされると一気に萎えるわ -- 名無しさん (2013-11-06 21 35 08) クレしんとか誰得だよ -- 名無しさん (2013-11-06 22 01 19) 最初はヴァイスクロイツと混同しちゃったよ… -- DCD (2013-11-06 23 00 19) シュバルツバルツかと思ってた -- 名無しさん (2014-01-11 11 13 00) 人気アニメを節操なく参戦させてるのも賛否両論だな。プレメモ登場までどう考えても参戦しそうなけいおんや俺妹が参戦しなかったのは、やはりブシロードとエンスカイで参戦作品についての話し合い(争奪戦?)みたいなのがあったのだろうか? -- 名無しさん (2014-01-11 11 38 44) ↑確かに俺もそこは気になった。でもまどかとか両方に出てるのもあるから、裏でどうこうってのはないんじゃね? -- 名無しさん (2014-01-21 21 22 21) 運要素が大きいというのが初心者の参入を助けているような印象。MTGや遊戯王みたいにカード資産がなくても戦えるというのは非常に嬉しい。派手なパワーカードやコンボ、ハンデスやデッキデスみたいな変則的な攻めができないのは寂しいけど。 -- 名無しさん (2014-10-03 16 55 12) この手のクロスオーバー系カードゲームこういう事を言うの -- 名無しさん (2014-11-09 20 04 02) ↑ミスりました この手のクロスオーバー系カードゲームこういう事を言うのは野暮かもしれないけど、バジュラと魔女が怪獣大戦争を繰り広げたり、戦国武将が巨大ロボットを生身で破壊したり、ケツだけ星人で英雄王が吹っ飛ばされたりするんだよな。想像してみるとなかなかシュールな光景だw -- 名無しさん (2014-11-09 20 07 05) その運要素も新規参入枠にぶっ壊れ→規制に躊躇いが無くなってきてて怪しいんだよなぁ…古参も強化されないor強化されても即規制されてるってのもまた -- 名無しさん (2014-12-01 04 52 10) 普通の(スクール)アイドルが魔王少女倒したりちゃんみおが円環の理り倒したりといろいろ凄いな -- 名無しさん (2015-02-05 15 37 29) 篝ちゃんのせいで最強スレでは中堅位、何言ってるのかわからないと思うがP3000以上は地球を殴り倒せるらしい -- 名無しさん (2015-02-05 15 41 15) 正直、遊戯王並みプレイヤーの質悪い気がする -- 名無しさん (2015-02-27 15 55 04) ↑どのカードゲームのプレイヤーだって、質の良い奴も悪い奴もいるもんなんだよ -- 名無しさん (2015-05-26 18 58 11) 人気あるし売れるからしょうがないのはわかるんだけどニセコイとかSAOとか元から強いタイトルばっか追加来て羨ましい サイコパスとか物語とかも早く追加来てほしいな -- 名無しさん (2015-06-22 20 52 34) まあどっちも続編やってるからなー。それら二つも続編あるしいつか来るんじゃないの -- 名無しさん (2015-06-23 18 03 29) 最近はWIXOSSに押され気味な感じが否めないんだよなぁ… -- 名無しさん (2015-06-27 01 38 14) PSPで出た奴は色々酷かった。一回の読み込みで1分余裕で越えるしNPCはバカだし。 -- 名無しさん (2015-06-27 03 03 50) タグ荒らされてるな。どうやったら元に戻せるんだ? -- 名無しさん (2015-07-20 14 27 43) タグを無難なのに変えました。追加頼みます -- 名無しさん (2015-07-26 15 43 19) cmのbgmがやたらとこもってるように聞こえる -- 名無しさん (2015-09-19 14 17 36) スターウォーズは斜め上すぎる…カードパワーがどうなることやら -- 名無しさん (2016-09-29 04 02 44) ↑同意 -- 名無しさん (2016-12-29 16 21 16) 運要素が強すぎるので、確率に干渉できる系のカードが出ると途端にバランスが崩壊するゲーム -- 名無しさん (2019-10-23 11 51 33) oohaba -- 名無しさん (2020-07-10 16 35 52) ミス、大幅に追記しました。知っていることだけですが最近のも含めて追記しています。 -- 名無しさん (2020-07-10 16 36 38) 考えてみると何でクレヨンしんちゃんまでもが参戦できたんやろこのカードゲーム。ハイティーン以上向けのアニメの印象が強いから、違和感がある -- 名無しさん (2021-09-06 17 42 04) 姉妹品のブラウは4枚で300円とやたら強気な値段設定…… -- 名無しさん (2023-01-05 01 18 10) なんだかんだクロスオーバーする版権系TCGとしては15年目で最年長だな。好きなタイトルがカードパワーで勝負にもならないってなりがちな他のと比べると、古いタイトルでも安定して勝つのはともかくちゃんと序盤から終盤までちゃんとゲームらしいゲームは出来るしキャンセル絡めて勝ちうるって点は長生きしてる秘訣だと思う -- 名無しさん (2023-11-19 14 08 16) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/1257.html
ヴァイス〔う゛ぁいす〕 作品名:アルカナハートシリーズ 作者名:としあきA 投稿日:2010年2月11日 画像情報:640×480px サイズ:121,267 byte ジャンル:[[]] キャラ情報 このぐぬコラについて コメント 名前 コメント 登録タグ 2010年2月11日 としあきA アルカナハートシリーズ 個別う
https://w.atwiki.jp/theregulation/pages/165.html
スペル:Thelonious "DR." Gray 国籍:Unknown 年齢:Unknown 身長:Unknown 体重: Unknown 誕生日:Unknown 本名セロニアス・グレイ 直轄部隊Memento mori隊長として君臨する渋い雰囲気を纏った初老の男性。 ASAのメンバーの中で素顔が表舞台に晒されない者の1人である。 コードネームとされる"Vice(ヴァイス)"の名で通っており、 ドイツ語で白(Weiß)を意味し、また英語のviceには悪や罪の意味がある。 元々は軍に所属していたらしく、軍人らしからぬ理想家。 数々の任務を完璧に遂行へと導く非常に優秀な人材で、幅広い才能から不可能を可能にさせる"白鴉"と慕われていた。 高齢を理由に前線からは退いて兵器産業に籍を移して、軍事技術力向上に一役買った技術顧問として活躍。 国家間での小競り合いが起こり緊張が高まる中、再び指揮官として異動になる事が決まるも、同時期に部隊共々失踪して行方不明となり、 軍が正式に死亡を発表して、表舞台から姿を消し去った人物。 ASAに参入した後も彼の有り余る才能は衰えることはなく、彼に近い者からは絶対の信頼を置かれている。 戦闘機などの腕も超一流で、指揮を行いながら自らも戦線に出るも、その戦いぶりは今もなお健在。 彼に関しての情報は最も謎が多い人物の一人で、その姿を見た者もほとんどいない。 他者の心理を巧妙に読み取る術や事態を予見する洞察力に長けており、十重二十重にも計算された上で行動を起こす。 基本的に表の行動は周囲の人間に一任して様々な所で裏に手を回し、最終的な総取りを得ようとする手口で、彼を捉えられるのもごく稀。 何者に対しても傲岸不遜かつ超然とした態度であり、他者の才能などには興味を示して認めるなど能力主義的な一面を持つ。 ネームレス筆頭の7人と並ぶ初期のメンバーの1人として考えられており、最初期に参入したのは間違いないと思われるが詳細は不明。 それらの理由から、ネームレス同様にASAの裏に位置する指折りの人物であり、中心人物としての彼の存在を知る者からは警戒されている。 補佐に徹しているが、彼自身も目的や思惑が独自にある模様で、科学者として兵器など技術力の要として活動もしている。 その存在の不気味さから、内部にも彼を恐れている者は少なくない。 ロトレックとは深い因縁のある間柄であるらしく、真意を窺い知れぬ謎めいた言動で立ち塞がる。 彼からはデッドコピー(Dead copy)と呼称されてるが、その意図は不明。 「何度やっても無駄だ。私は無駄な事を繰り返すほど愚かでは無い」 「力と秩序を共存させるには中枢の意志というものが必要だ。不確定要素である無統制な力など不要」 「どちらが正しいかは戦いで決めよう」
https://w.atwiki.jp/jubeat/pages/1315.html
Follow Tomorrow beatmania IIDX 19 Lincleからの移植曲 既にDanceEvolution ARCADE、DanceDanceRevolution (2014)にも移植されている アーティストそのものに関しては「朧」を参照 jubeatでHHH×MM×ST名義の収録は「朧」に続き2曲目(いずれも移植) BASIC ADVANCED EXTREME LEVEL 3 6 8 Notes 328 590 865 BPM 140 Time Artist HHH×MM×ST ジャンル オリジナル Version saucer fulfill この曲で手に入る称号 【全難易度クリア】Follow Tomorrow 【全難易度フルコンボ】ひとりで寂しいときもつづく空がある 解禁方法 saucer macchiato参照 動画 -譜面動画 譜面動画 -プレー動画 プレー動画 攻略・解説 各譜面の攻略に関する情報はこちらへ。 [EXT]865ノーツ。同時押しメインで道中回転16分(?)あり。 -- 名無しさん (2014-03-05 02 42 09) [EXT]16分回転(?)は早めだから片手スライドでも光る -- 名無しさん (2014-03-05 23 58 13) [EXT]歌合わせの対角、対称配置の繰り返しなので、リズムさえ掴んでしまえば怖くない。問題はラスト前のトルネード。忙しい譜面なのでうっかり早グレにさせがちなので注意 -- 名無しさん (2014-03-09 02 47 12) [EXT]上で言及されている回転は32分。かなり早い(例えば量子の縦16分スライドと同等速)ので、繋ぐだけなら大した難所ではないが光らせる意識を持つと一転ここが最大の難所。 -- 名無しさん (2014-03-09 04 52 42) [BSC]ほとんど4分までだが、終盤のサビ手前だけ引っ掛けてくるので注意。 -- 名無しさん (2014-03-10 21 49 51) [ADV]赤のボーカル合わせに対し、こちらは伴奏合わせの付点8分リズムが中心。前半に16分横スライド地帯がある。 -- 名無しさん (2014-03-10 21 54 46) [EXT]3回ほど出てくる125+121516には注意。直後に6+7がくるため、誤爆の可能性も。 -- 名無しさん (2014-05-02 23 42 01) [EXT]回転以外はそんなに難しいわけではないので回転がうまく光らせられる人はEXCや鳥はレベル9でも簡単な方だと思われる -- 名無しさん (2014-06-21 17 21 26) 名前 コメント ※攻略の際は、文頭に[BSC] [ADV] [EXT] のいずれかを置くと、どの譜面に関する情報かが分かりやすいです。 ※体感難易度を書き記す際は、クリア難度・スコア難度のどちらかなのかを明記してください。 また、攻略と関係ない投稿・重複した内容は削除の対象になります 攻略とは無関係の話は該当する欄(情報交換&雑談) にてどうぞ。
https://w.atwiki.jp/ddr_dp/pages/4007.html
Follow Tomorrow(鬼) 曲名 アーティスト フォルダ 難易度 BPM NOTES/FA(SA) その他 Follow Tomorrow HHH×MM×ST 2014 鬼14 140 521 / 16 先行プレー特典 STREAM VOLTAGE AIR FREEZE CHAOS 86 69 32 22 104 楽譜面(5) / 踊譜面(8) / 激譜面(12) / 鬼譜面(14) 属性 譜面 https //livedoor.blogimg.jp/yanmar195/imgs/0/c/0c109231.png 譜面動画 https //www.youtube.com/watch?v=8k6pUl-qspI (x3.0, NOTE) プレイ動画 https //www.youtube.com/watch?v=elRj4Yr6DHo (x?.?, NOTE) https //www.youtube.com/watch?v=hKZcW1KL8f8 (x?.?, NOTE) 解説 2023/03/20に追加された鬼譜面。 『グランプリ楽曲パック vol.17 グランプリ楽曲パック vol.18』両方の購入でプレー可能になる。 2024/03/29無条件解禁。 BPM推移:140-(停止)-140 名前 コメント コメント(私的なことや感想はこちら) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/runakuro/pages/28.html
ヴァイス・ギューラー
https://w.atwiki.jp/tm-info/pages/14.html
管理人より ○このページはFate/stay night、Fate/hollow ataraxiaの用語辞典です。 ○関連用語などご自由に追加してください。 ○閲覧の際はネタバレを大いに含みますのでご注意ください。 は莫耶 ハルバート ひ秘剣・燕返し ふFate/ZERO 腹筋つかれるし 他者封印・鮮血神殿 自己封印・暗黒神殿 へHeavens Feel 騎英の手綱 ほ穂群原一の美男子 穂群原のブラウニー は 莫耶 ハルバート ○斧槍「ハルバート」は突く・斬る・叩くの機能が考えられるがその性能は通常の槍・剣・斧に比べると大きく劣る。 ○相手の姿勢を崩し、もっぱら転倒を誘うことに特化している。要は、とどめを刺す状態を作り出そうとするものだ。 ○刃先の形状によっては、馬上の敵を引きずり落とすのにも向く。 ○上記用途においては本来扱いやすい武器なのだが、fateのハルバートは度を越えている。人間が振り回せる重要ではない。まさに人外の武器 ○一見城間を飾るアンティークを模しているようだが、アインツベルンの最新の技術が用いられてるのは間違いない ○さまざまな魔術特製が付加されているのは当然のことながら対サーバントを想定し、武器の切れ味よりも強靭性---すなわち 打ち合い、しのぎ勝つことに重点がおかれて鍛えられている。 ○ともなれば、その素材は戦車の徹甲弾などに使用されるタングステン鋼だが、それよりも優れた金属レニウム。 ○レニウムはライン河の名に由来するという。レニウムはタングステンの強靭を上回る。比重は鉄の3倍。 ○バランスを度外視した人口人形にはまさにうってつけ。 (そのうちまとめる) ひ 秘剣・燕返し 第五次聖杯戦争にて召喚されたアサシンの宝具。 多重次元屈折現象(キシュア・ゼルレッチ)によって三の斬撃を同時に繰り出すことができる。 ふ Fate/ZERO 「ゼロ-----始動」 COMING SOON 冬木市で絶賛放映中の映画。 詳しい内容は上記以外全くの不明。何か意味があるのか、それともないのか。 腹筋つかれるし hollowのメイド服のイベントで凛が使った言葉。恐らく「おかしすぎて腹が痛い」と同義。 「心の贅肉」やら「腹筋つかれるし」などから肉を使った言い回しが好きなのだろうか。 他者封印・鮮血神殿 「ブラッドフォート・アンドロメダ」 自己封印・暗黒神殿 「ブレーカー・ゴルゴーン」 へ Heavens Feel 「ヘブンズフィール」 第3魔法の名称。 魂の物質化。存在が一段上の存在(英霊や精霊とも異なる超越存在)に進化し、魂単体で物質世界に干渉可能になる。真の不老不死になる。 Fate/stay nightでは3週目の桜ルート名を指す。 騎英の手綱 「ベルレフォーン」 ほ 穂群原一の美男子 「ほむらはらのびだんし?」 氷室曰く、柳洞一成のことらしい。 穂群原のブラウニー 「ほむらはらのぶらうにー?」 衛宮 士郎のあだ名。 ブラウニーとはアイルランドの妖精。家に住み、家主のいない間に家事や雑務をしてくれることからきている。 あだ名は他に 「生徒会長のオプション装備」 「偽校務員」 「文連の修繕担当」 「弓道部の掃除機」 など。
https://w.atwiki.jp/goronka/pages/608.html
【作品名】fateシリーズ(stay night、hollow ataraxia、zero) 【ジャンル】エロゲ+ファンディスク+同人小説(TYPE-MOON BOOKSレーベル) 【先鋒】ライダー 【次鋒】ゴルゴン 【中堅】アルトリア 【副将】ギルガメッシュ(stay night) 【大将】ギルガメッシュ(hollow ataraxia) 【共通設定・世界観】 魔術:魔術師が神秘を引き起こすための技術。 体内の魔力か世界に満ちている魔力を使い、魔術師の体内にある魔術回路を通して発動する。 サーヴァント:死後英雄などとして祭り上げられた者は一つ高次元な存在になり『英霊の座』という 形而上的な場所へ登録される。それがコピーされて魔術師によって現世に召喚された存在。 一回の聖杯戦争で7体召喚され、それぞれの能力特徴に応じたクラスを割り当てられる。 正体が判明すると自分の能力がバレかねないため、通常はクラス名で呼ばれる。 共通する基本的な能力として、以下のものがある。 自分の体を実体と霊体とに切り替えられる。霊体化すると不可視(サーヴァントには見える)になり、 人ともサーヴァントとも干渉は相互に不可能になり、魔力の薄い物体を自在にすりぬけられる。 攻撃の回避に使えるほど迅速に霊体化するには令呪のブーストが必要。実体化は一瞬。 霊体化した後実体化すると、実体化中に傷んだ髪も治る(説明有り)。 神秘の伴わない攻撃は原則無効(明言)。傷は負うようだが、霊体化すれば即座に完治するようだ(↑から推測)。 自分の攻撃にはなべて神秘が宿る。ただのペーパーナイフでもサーヴァントが使えばサーヴァントを傷つけられる。 当然、振り回してただの壁や地面に叩き付ける等も有効(描写アリ)。 サーヴァントの生命力・エネルギー源は魔力。一般人から精気を吸い取って魔力に還元することができる。 この際キャスターとライダー以外は対象を殺す必要があるようだ。 不治の傷も、魔力を消費することで数日ほどで治る自然治癒能力を持つ 心臓を破壊されるか首を落とされることで致命傷になる(明言) キャスター以外は無数の大型肉食獣並の怪物の群れを一掃できる白兵戦能力がデフォ 基本的に神秘的な干渉には魔術師より高い耐性を持つ マスター:聖杯戦争に参加する魔術師のこと。サーヴァントを召喚・使役し、魔力を供給し現世に留める存在。 基本的にサーヴァントはマスターがいないと弱体化するとともに、2時間程で消滅する。 令呪:マスターが肉体に持つサーヴァントを従える印であり、絶対命令権でもある。3つで1組の消耗性であり、 そのうちの1つを消費することで絶対命令を与えることができる。さらにその絶対命令には能力をブースト させる効果もあり、使い方次第で無茶苦茶な行為を実現可能。絶対命令の効果は、その命令の内容が より細かく瞬間的であるほど強くなり、広く長期間続く命令であれば効果は弱くなる。 なお、令呪を3つ使い切ってもマスターとしての資格も力も失わない、ただ邪魔者としてサーヴァントに 反逆され殺されたりすることがしばしばあるだけである。 以下は作中内・設定で行われた令呪の内容と効果の例 ・自分に服従せよ→マスターの命令に従わないと体が重くなる ・来い→数km近い距離を瞬間移動してマスターの元に現れる ・跳べ→飛行能力も無しに4kmの距離をジャンプさせた ・主変えに賛同しろ→殺したいほど嫌いなマスターに嫌々従う ・○○を殺すな→聖杯よりも○○を殺す事を何より望むサーヴァントが○○を殺せなくなった ・○○を主とせよ→擬似的な令呪を創って○○に従わせる ・自害しろ→即座に自殺した ・左腕になってしまえ→自在に動く義手に変化した セイバーの対魔力(家破壊クラスの魔術無効)なら若干抵抗可能 また、zeroではウェイバーがしたように、異空間にいるサーヴァントとも合図を取れたり ランサーがマスターの危機が魔力のパスを通して分かる等という事が出来た 宝具:サーヴァントの奥の手の武装・攻撃。時には通常武装や特殊能力などであることもある。 真名解放が必要なものと不要なものがある。 真名解放:宝具に魔力を注ぎ込みながら技の名前を叫び、宝具の力を最大限に解放すること。 魔法:魔術がなべて人類に実現可能なことを特殊な方法で行使しているだけなのに対し、魔法とは現在の人類が どれだけの労力・時間・技術を注ぎ込んでも絶対に実現できないもののこと。 時間移動、平行世界や異次元からの干渉、魂の物質化等 敏捷:ステータス設定における、移動速度を表す値。技術技量反応速度などとは関係ない。 幸運:ステータス設定における、因果をねじ曲げ自分に有利な結果を導く力。主人公補正・物語補正のようなもの 旧テンプレ 【名前】 間桐桜(黒桜) 【属性】 日常の象徴だったヒロイン 【大きさ】 156cm 【攻撃力】 自分の胸を片手で抉って心臓に付いている異物と神経全てを摘出できるレベル。 また以下の物を行使可能。 黒い影(クラゲ):威力用参考テンプレ。 津波のように街の一角を飲み込み、 巻き込まれた生身の人間は一瞬で蒸発。無機物は透過するか破壊する。 無機物を破壊する場合、防御壁があるかなり大きな(50~100m)城を半壊させた(完全には破壊していない)。 士郎(一般人に毛が生えた程度の段階)の左腕が触れた瞬間消えた。 植物も魔力を吸われるらしく、森が死んでいくと表現されている。 こちらは飲むまでに多少時間があった (それでも最大で20秒も無いだろう。ギルガメッシュに至っては5秒以下)。 また、飲まれている途中で既に動きが拘束されていた。 劇中ではセイバーやバーサーカー・ランサー・ギルガメッシュ・真アサシンを飲み込んだ。 この際に鎧や剣・槍も一緒に飲み込んでいる。 魔力のあるものは透過できない? セイバーが飲み込まれたことからすると、 家一件吹き飛ばす魔術を無効化する程度の対魔力では防げない。 黒い影(触手):桜が自分の虚数魔術で生み出したもの。一瞬で複数作れる。 成長途中の桜でも操る影の威力は黒い影(クラゲ)と同じ。効果も同じだろう。 それなりの大きさの武家屋敷である衛宮邸(本邸の他に離れと土蔵、更に道場あり)の 全てを覆い尽くせる。 別ルートによると魔力があればあるほど耐えられるようだが (凛が宝石を飲んでこれより威力が低い泥の沼に入った)、 この影は成熟した魔術師のおよそ20倍の魔力を持っている凛の魔力を 1秒も掛からずに食い尽くし、衰弱状態にした(すぐに殺せる状態)。 このテンプレにおける桜はその時より成長しているので、威力はそれ以上。 黒身の巨人:大きさは5~10m程度?かなり大きな洞窟の中にいられるくらい。 「以前(クラゲ)とは比べ物にならない魔力の固まり」と表現されている。 その一体一体がサーヴァントの持つ宝具に匹敵するとされる。 40階以上あるビルを破壊する宝具と同等くらいか。 黒い影(クラゲ)と同じ原理で作られているので、効果も同じと思われる。 上に挙げた宝具と同等の威力を持つ、魔力などを使った特別な攻撃なら一体消せる。 四体同時に2~3秒ほどで生み出せ、その後もどんどん生み出して増やし続けた。 巨人の素早さは大きさ相応の人並みか。 【防御力】初期の段階でギルガメッシュの王の財宝で首から下をほとんどコナゴナにされても すぐに生き返り、勝ったと思い油断していたギルガメッシュを飲み込んだ。 桜は魔力供給の無いサーヴァントを傷つけられる程度では傷さえ付かない。 ちなみに、それを行える人物(言峰)は多数の蟲で構成された人間の体 (身長145㎝、普通の人間よりしぶとい)を消し去っている。 また、自分で自分の心臓を抉り神経を全て抜き出しても平然としていた。傷はそのあとすぐ修復された。 【素早さ】少なくとも達人並以上ある凛を影で追い詰めたり、セイバー並の相手(バーサーカー)を圧倒する程度の反応はあるが、影が凄いだけかも。 但しこの状態より弱い桜が大型の獣に反応し迎撃している。移動速度はせいぜい達人程度か。 影は上記の通り。 【特殊能力】 桜は聖杯の欠片を体に埋め込んでいて、彼女自身が聖杯の核となっている。 そのため圧倒的な量の魔力を持ち、黒い影などはほぼ無限に作れる。 【長所】 無限の影による広範囲攻撃と無限の巨人による防御。 【短所】 桜自身は実戦経験皆無でメンタル面が弱い。劇中であんまり動いてない。 【備考】 黒い影とかは召還ルール1扱い 【戦法】 一息に影を展開して捕まえ溶かす。 避けられたら巨人を盾にしながら接近し、範囲内に入ったところで再び影を放つ。 空に逃げられたら巨人に対応させる。 乗り物や鎧などを装備していれば影や巨人を透過させて中から殺す。 【名前】 ライダー(メドゥーサ)withペガサス 【属性】 間桐桜のサーヴァント、貶められた古い神、吸血種 【大きさ】 172cm 57kg with7~8m程の天馬 【攻撃力】王の財宝を耐えるアーチャーを一撃で倒す中堅のセイバー並 無銘・短剣:長い鎖が付いた太い釘。大型肉食獣並みの人型怪物を軽く殺せる威力。投擲も可能。 一度刺さるとなかなか抜けず、62kgのサーヴァントに刺して「怪力」で振り回しあちこちにぶつけられる。 セイバーの魔力放出で破壊されない程度の強度はある。鎖の強度は並。 怪力スキル:2分間(黒セイバーとの対決から推測)だけ筋力を高める。 怪力スキルを使えば工事現場の大型の乗り物(ロードローラー、平均的なもので3,4t程度)を持ち上げれる。が長持ちしない 天馬・騎英の手綱(ベルレフォーン) ライダーより大きな馬(飛行可能)に騎乗、 それの能力を上昇させる宝具。描写上の威力は学校や40階立てビルを崩壊させるくらい。長距離時速400~500km程、短距離の突進は真名解放前ならセイバーがギリギリかわせる程度の速度 余波で橋に直径10m程のクレーターができる威力の赤原猟犬を防げる、四枚の盾による補助さえあればセイバーの約束された勝利の剣と相打ちになる程度には硬い また直撃させればセイバーですら重症(セイバールートのバッドエンド) 【防御力】サーヴァントであるので、物理攻撃に対しては近代兵器(核含む)もまったく効かない防御力。 防御が半分の時、首を自分の短剣で貫いても大丈夫、セイバーの一撃で死なないまでも戦闘不能になる 少なくとも達人並はある葛木を一撃で殺害する、アーチャーの干将・莫耶で腹を割かれても一瞬で治癒する 対魔力:干渉・莫邪を持つアーチャー(後述の魔眼に僅かに耐える)より高いだろう 天馬 余波で橋に直径10m程のクレーターができる威力の赤原猟犬を防げる、四枚の盾による補助さえあればセイバーの約束された勝利の剣と相打ちになる程度には硬い 学校やビルの屋上程度は意に介さない 上記防御力分の能力を持つ魔力バリアを張っている状態。騎乗したライダーを倒すにはこのバリアごと破る必要アリ 【素早さ】ライダー・セイバーとビルの壁面で重力など無いかのように自在に戦闘可能。移動はセイバー以上はあるか 天馬・長距離時速400~500km程、短距離の突進は真名解放(ベルレフォーン、と言う)前ならセイバーがギリギリかわせる程度の速度 【特殊能力】 吸血行為や淫夢を見せることで他者から生命力を吸い取り、己の魔力に還元できる。 魔術への深い知識を持つ。 本来は大地に関わる神なので、地脈の乱れを感知できるそうだ サーヴァントであるので霊体化が可能。 騎乗:竜を除くあらゆる獣・怪物を乗りこなせる。機械仕掛けの乗り物も自在に操縦可能。 魔眼・キュべレイ:目標をライダーが見るか、肉眼・心眼にかかわらず目標がライダーを見ることで発動。 魔力の低い者は石化し、魔力の高い者でも能力が下がる“重圧”をかけられる。 魔力が成熟した一人前の魔術師の50~52倍程度だと判定しだいで石化する。 足から石化が始まり、人が一言喋る程度の時間で相手が完全に石化する。 ただし相手に上記程度の魔力がある場合、4m以内に近付かないければ石化はしない(重圧はかかる) 人間・人外(サーヴァント)に有効 自己封印・暗黒神殿(ブレイカー・ゴルゴーン):魔眼を封印する眼帯。解除した状態で参戦 単独行動:マスターがいなくても1日間現界と戦闘が可能 他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ):一般人を溶解し己の魔力に還元する結界。 常人ならすぐに行動不能になり、魔術師ならかろうじて動ける。 大規模な魔術であり、発動の準備に数日掛かる。 【長所】 魔眼 【短所】 実は強い方なのにやられ描写が多い。 【備考】 魔力が供給不能な一般人・慎二がマスターの時でも、鮮血神殿で学校の人間から魔力を奪い 天馬を出せていたのでマスター抜きで出してみた だめなら魔眼のみにして単独参戦か、天馬でやりたいなら↓ HF最後らへんの桜が必須パートナーでも可(ライダーの話では黒桜化した後でも魔力供給源は桜のまま。ちなみに桜のテンプレは一番上にある) 【戦法】 魔眼&突撃 相手が戦艦やロボットなどの機械なら、霊体化して内部に侵入して攻撃 【名前】 ゴルゴン 【属性】 神代の怪物、生前のメドゥーサのなれの果て 【大きさ】 10m以上。太さ数十cmの蛇が幾重にも絡み合い、その中に巨大な単眼を持つ姿 【攻撃力】【防御力】【素早さ】大きさ相応 【特殊能力】 魔眼・キュベレイ:自分の眼を直視した物は石化する。 ライダーの物と違い、目を合わせなければ石化せず(鏡の盾で直接眼を合わせないで戦った者が居たそうだ)、魔力で抵抗できる確証はない。 自己封印・暗黒神殿(ブレイカー・ゴルゴーン):魔術の一種。魔力を放射し浴びせることで、意識を ゴルゴンの心の中に封印し、行動不能にさせる結界。ゴルゴンはこれを反射されて行動不能になった。 範囲は巨大な神殿を覆う程度なので100m程? 【長所】即時発動系と範囲系の無力化攻撃 【短所】サーヴァントとしての能力は無い 【備考】サーヴァントとは英霊のコピーなのでライダーとの同時参戦も可能 【戦法】魔眼効かなかった時の事を考え、一応ブレイカーゴルゴーンもやっとく 【名前】アルトリア (生前のセイバー) 【属性】イングランドの騎士王、アーサー王 【大きさ】 154cm 42kg 【攻撃力】 聖剣『エクスカリバー』を装備。長さは両手剣程度で、主に両手で使用する。 左腕一本で振るっても、飛んできた数トンはあるかと見えるコンクリ塊を風王結界の気圧根を利用して時速400kmほどの速度で弾き返すことができる。 王の財宝に耐えるアーチャーを普通の攻撃で倒せる 参戦している状態では、これらの描写を更に上回っていると思われる。 風王結界(インビジブル・エア):剣にまとわり不可視にする魔術の風。 攻撃や防衛、一時的な加速など色々な用途に使えるが、これを展開している間はエクスカリバーを使用できない。 そのため解除した状態で参戦する。 約束された勝利の剣(エクスカリバー):真名解放によって剣から放たれる斬撃。外見はビーム状 40階建てビルの屋上から撃って一瞬で雲(低い位置の雲)を突き破ったため、推定秒速3キロ ビームの幅は最大で十m前後あるが直接の斬撃の当たり判定は先端のみ。 1000体以上の敵をまとめて粉砕可能。レンジは飛距離40kmの攻撃以上。 全長200mの怪物を分子単位で灼熱の衝撃に晒して消滅させる威力。大型船舶を緩衝にすると止められる。 河川(幅400m)を干上がらせるほどの熱量は当たり判定のない刀身(ビーム)全体にも含まれる。 使用回数は2度+『全て遠き理想郷』1回、鎧を解除すればもう1度だけ威力の高い通常斬撃として放てる(それでも鎧ごとギルガメッシュを切断し倒せる) 射程数km(設定では99とあるがこれは単なるカンスト)。 真名解放時間は、50m先から、時速500kmで来る天馬に対して間に合う(HF最後) http //taisenrogu.web.fc2.com/teki/isukanndaru.html 相手との間合い100m余りを地文によれば、瞬き一つの間にすぐ眼前にまで肉薄できる。100ミリ秒ぐらい。秒速1000m程度 に対して100mジャストから間に合う位。一秒ないかも 山を穿つ(貫通)する王の財宝で体躯の三割を削られても瞬時に再生する200mの怪物を焼き尽くした 魔力放出:普通の純度の低い武器と打ち合えば、相手の武器を破壊できる。サーヴァントの名刀でも真正面から 打ち合えば歪んでしまう。 大型肉食獣並の獣と戦えるだけの威力を持った敵の短剣を粉々に。 【防御力】 魔力で編まれた、首から上以外の全身を覆う瞬時に着脱可能な鎧を着用。 400kmで走行中のバイクで事故を起こすと命を落としかねない。(Zero4巻) 全て遠き理想郷(アヴァロン):真名解放して目の前にかざすことで数百のパーツに分解し、使用者の身を 妖精郷(異次元)に移して6次元までの魔法を含むあらゆる攻撃・干渉を防ぐ鞘。発動中の移動も可能。 持続時間は最低でもエクスカリバーを撃つ直前まで。装備中は自然治癒能力が飛躍的に上がり、不治の呪いも無効化 作中では「天地乖離す開闢の星」を完全に防ぎ、サーヴァントすら汚染する呪いの泥を遮断した 【素早さ】 移動速度はジェット戦闘機並み(戦闘機のその時の速度は不明)(Zero3巻) 素の踏み込み速度は「音速の数倍に相当する超音速の踏み込みの3分の1」ほどで音速以下くらい。(Zero1巻) 一度だけ超音速で移動可能。直線のみで移動距離は十数m程度(Zero1巻) 普通に走っても数キロを3分で走破し、令呪を消費すればマッハ5程で4km先へ跳躍できる。(コンマテの詠唱小節数の関係) 斬撃速度は小銃弾を上回る程度で超音速。(Zero4巻) 【特殊能力】 湖の妖精の加護により水上を移動できる。 幸運:因果を操り、確実に相手の心臓を貫き即死させる攻撃が狙いを外すくらい高い 直感:戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。 SN凛ルートでは敵の刀がたわんだことでわずかにできた回避不能技のスキマに飛び込んで回避 ZEROでは何の知識もなしに咄嗟にF15JのM61を範囲攻撃だと悟り回避行動 竜の因子を取り込んでおり、呼吸しているだけで、魔力が生成される(魔術師とは比べ物にならないらしい) またステータス上、ライダーの魔眼を受けても石化はしない程度に魔力がある 【長所】約束された勝利の剣と全て遠き理想郷の能力 【短所】紙装甲。思ったより速くない。 【備考】生前の状態で参戦したので士郎がいらない代わりに対魔力とかサーヴァントのスキルは無し アヴァロンは有り 【戦法】速攻でアヴァロン展開しながら隙を見てエクスカリバー 【名前】 ギルガメッシュ (stay night) 【属性】 アーチャークラスの受肉したサーヴァント、2/3が神・1/3が人、最古の英雄王 【大きさ】 182cm 68kg+乖離剣エア装備 【攻撃力】 ステータス上の筋力は空間固定を力尽くで破るサーヴァントを上回り、 数トンのコンクリ塊を時速400kmほどの速度で弾き返すサーヴァントと互角。 王の財宝に耐えるアーチャーを倒せる中堅のセイバー並 王の財宝(ゲート・オブ・バビロン):生前彼が所有していた、世界中の伝説伝承に姿を現す武具の原典 (オリジナル)を自分の周囲の空間に最高80も出現させる。全て宝具であり、所有する種類は千を超える。 武具は普通に扱う場合と、ガトリングのようにまとめて射出する用法がある。射程は500m以上。 近接戦では相手の前後左右上下から取り囲むような射出も可能。 セイバーでも回避がやっと。 一射の4本で200mの怪物の体を3割削る威力。山をも穿つ威力(地の文)。 16連射で、倉庫街の周辺建築物と街頭を全て倒壊させた。 乖離剣エア:ドリルのような片手剣。。『天地乖離す開闢の星』を参照 天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ):乖離剣エアの真名解放。 空間切断が可能 (射程数キロで空間切断攻撃としても使用可能、威力は約束された勝利の剣を軽く上回る)。擬似時空断層を作成。1000体以上の敵をまとめて粉砕可能。レンジは飛距離40kmの攻撃以上。 小説中の描写から、地平線まで届いていると思われる。 振り下ろすと大地~天にまでに及ぶ世界そのものに亀裂を発生させ その周囲100m前後の物を吸い込み虚無へと飲み込まれ消える。 形あるもののみならず、森羅万象全てを崩壊させる力。相手の作った異空間も破壊。 また、自身を中心に空間を切り開き地獄へと繋げ 数十mの範囲に群がる敵を纏めて飲み込んで異空間に消し去ることが可能。 真名解放中に起こる風で武器が吹き散らされる為、『王の財宝』との併用は不可能。 攻撃後硬直時間があり、最大出力で放つとそれは数秒ほど。 【防御力】 瞬時に着脱可能な黄金の鎧を着ている。 鎧の強度は、王の財宝に耐えるサーヴァントを倒す斬撃を、両腕で放たれて10回ほど受けて耐えられるぐらい。 素の肉体強度は人間を一撃で殺傷可能な拳で無傷、王の財宝に耐えるサーヴァントと同等。 盾 確認できるので2個。強化されたF15Jのミサイルを防げる 【素早さ】亜光速での斬り合いが可能であるセイバーと同等の反応。 ヴィマーナ:黄金の飛行船(20m位か)。物理法則外の運動性を所持し、 機体の能力が大幅上昇したF15Jと 互角にドッグファイトできるくらいのスピードで動ける。 自身の意思で自在に飛行する船。 魔力により性能が大幅上昇しているF15J戦闘機から放たれる ミサイルや機関銃を10数mから王の財宝で相殺したり当たる直前に 身をかわす様な不自然な動きで回避ができる。 【特殊能力】 いかな英雄でも耐えきれない呪いを受けてまるで正気を失わなず、汚染もされない 但し呪いが影と繋がっていると死ぬ(Zeroマテより) 単独行動:完全に受肉している為マスターが不要 天の鎖(エルキドゥ):『王の財宝』によって相手の周囲に瞬時に現れ、拘束する10m前後の鎖。 目標の神の資質が高ければ高いほど拘束する力は強まる。 セイバー以上の力を持つバーサーカーが、令呪のブーストを受けても脱出できなかった(その後怒りで粉砕された)。 目標に神の資質がなければただの鎖である。射程5m程度。 反魂香・お香を焚く。大型肉食獣に食われても即復活 幸運・セイバー以上 ステータス上ライダーの魔眼に耐えるセイバー並に魔力量がある 【長所】圧倒的な火力。さすが最強の英霊 【短所】油断しすぎ、変態。後いきなり人を雑種呼ばわりはどうかとw 【戦法】即「天地乖離す開闢の星」。敵が乗り物や巨大生物ならヴィマーナに乗り込んで「王の財宝」 倒れないならそのまま近寄って「天地乖離す開闢の星」 【備考】hollow ataraxia(HA)の人物はstay night(SN)とは別人らしい SNのギルは本編時点で死んでいる筈なのでHAの彼は別人として扱う 【名前】ギルガメッシュ(hollow ataraxia) 【大きさ】副将と同じ 【属性】副将と同じ 【攻撃力】副将と同じ 【防御力】基本的には副将と同じだが、上半身は裸体 【素早さ】副将と同じ 【特殊能力】副将と同じ 【長所】本人曰く「このような気まぐれは一生に一度あるかないか」の本気モード 【短所】おかげで町が崩壊する 【備考】副将と違い、最初から天の鎖も手に持っている Fate/stay nightでの受肉したギルガメッシュが元なので、そちらと同様に物理無効などの恩恵はない。 修正 vol.58 44 vol.59 768 vol.62 81-82 vol.65 371 vol.71 108 vol.102 231 vol.104 464-466 考察
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/864.html
Fate/hollow atraxia風 クレタ家系過去話 ~天空に愛された海と大地の娘~ ~閉じ込められた聖牛~ ~星界の愛の猟人~ 「うわ、デカッ! こわっ!! オレよりデカイ男なんて初めて見とう」 建物と建物の隙間。 小型車が通れるくらいの隙間道から顔を出して、慄いている美丈夫がいた。 “俺よりデカイ男なんて初めて見とう――”。その言葉が示す通り、彼はかなりデカイ。 巨体。巨躯。大柄。長躯―― 大きいからだという形容詞が、とても当て嵌まる無頼の美丈夫だった。 その身長は二二八センチメートル、体重一四一キログラム、脂肪を排斥した黄金の如き価値のある褐色の肉体だった。 全ての格闘技に従事するものどもが、羨望と憧憬を持って見るような肉体。 野性的な美貌。粗野で剥き出しの飾らない魅力。 名は〈オリオン〉――最も有名な星座に輝く御名。ギリシャ神話にて最古の字名を持つ狩人。 神のように赤い瞳、濃紺の海の様な髪を流し、大地の様な肌を砂色の脚絆とアロハシャツに包んだ彼の下でしゃがみこむ男もまたデカイ―― 「………………………う」 うん、デカイね。兎に角デカイね、と少ない語彙で言うのは、オリオンよりも横幅がデカイ男だった。 産まれてから一度も日光も月光も浴びたことのないような、不健康に青白い肌。 青白い肌の下には張り詰めた獣の筋肉と牛骨並みに太い骨格がある。 その筋骨が二二〇センチメートルの巨躯と二五二キログラムの四足獣なみの体重を作り上げていた。 誰かの手によって整えられ、目元を隠す伸びた白髪。隠された双眸は、無感動な赤褐色だ。 しかし、巨体の男にあるような威圧感は微塵もない。 何かに興味を持ち、対象を意識する時に見られる感情の針(しげき)が感じられない。 じっと見つめられても何も感じられない。 良くできた大男のぬいぐるみでも、何かを感じるだろう。 大きいが故の圧迫感などを。 しかしこの男からは何も感じない。敵意も興味も誰にも向けていない。 もし、今この場で雄叫びを上げてもこの人形の様な男が叫んだと認知されるまで、それなりのタイムラグを要するだろう。 そんな、非人間的なまでに無感動な男だった。 名は〈アステリオス〉――英雄の為の反英雄(やられ役)。聖牛信仰の国で排他された牛頭人身の王子である。 そして、特注の道着みたいな衣服を着こんだ大男。その武骨な、魔術整形された大雑把な作りの顔を挟む腿があった。 巨人と人間―― それだけの体格と身長差がある。女性の方は小さ過ぎるというわけではない。 身長一六一センチメートル、体重五二キログラムと数字は平均的な体躯をしている。 「まあまあ~おっきいお人ですわねぇ~。巨人ちゃんよりはちぃちゃいですけども~」 間延びした――それこそ長閑な昼下がりの草原で、草を食む牛よりもゆとりのある声と態度だ。 顔の造型も鋭角的、威圧的という成分が無く、“緩い”、“曲線”といった部品で構成されている。 だが美しい―― 完璧な配置とバランスに調律された眉目と鼻梁は、化粧気が無く自然な美しさを出している。その声の主は、少女的であり、母性的でもあった。 矛盾する概念を無矛盾として感じさせる存在であった。 この存在に対して、娘に対するような感情が想起されるし、母親に対するような感情が想起される。 誰であっても“少女”という究極的な愛玩対象を想像させ、“母”という絶対的な安心対象を想起させる。 そのような美貌の乙女であった。 そのような地母神的肉体と豊穣を司る牛のような肉体の女であった。 彼女はアステリオスに肩車されていた。だから、足首まで隠れるようなフリルをふんだんにあしらった豪奢なスカートに隠れている両の足が、スリットから曝け出されている。 隠されていた白い脹脛は鎖骨に当てられ、瑞々しい肉感的な太股が武骨な頬を挟んでいる。 身を乗り出している為、少女趣味な薄色と乳白色のドレスの下にある、牛のように大きな乳房が帽子のようにアステリオスの頭に乗っかっていた。 はしたない――ともすれば淫蕩とも取れる行動だが、そこに妖艶さも淫らな感情もない。 肩車されてても、子供の頭を抱き締めている母親という印象を否応なく想起させる。例え、剥き出しにした胸で顔を挟んでも、子供に母乳を与えている光景のように感じる。 彼の英雄王は、例えどのような行動においてもそれが許される、それが許可される、認められると感じさせる究極的なカリスマを持っていたが、彼女の場合は、究極的な母性がそれであった。 それが〈エウロペ〉――ミノア文明の鼻祖の母。英雄を産む神の精を受ける胎盤。 欧州(だいち)の名を持つ広い面の大地(エウロポイヤ)に属する大地女神一派の一柱だった。 肩に少しばかり掛かる位置で切り揃え、羊毛のように癖のついた茶のかった金の巻毛の下―― 大海と大地の慈しみに満ちた海色の瞳は、その光景を見ていた。 掃除をする図抜けた巨漢――二七二センチメートルの巨体で掃除をする白髪の強面の巨漢であった。 〈ロスタム〉――中東の大英雄である。 品行方正かつ慈悲深く、誠実な人柄だが図抜けた巨躯がその内面を裏切っていた。 彼は誠実かつ実直な男だが、男臭い強面が威圧感を放っていた。 それは通りに通行人がいなくなる程であった。 ――どうすっよ……これ……。いやいやいやいや駄目だって、食われっとうよ。 空気と危機感を読まず、特攻するエウロペを止める。エウロペは何か悩む。 オリオンの手には回覧板。強面の巨漢に渡さなければならないもの。しかし、自分よりも巨体の男という初めて見る存在に言いようのない拒否感を感じていた。 それは自信家かつ勇猛な狩人が初めて感じる他人に対しての恐怖なのかもしれない。 単純に顔が怖いだけなのだが…… と、エウロペは両手を合わせた。 「いい方法を思いつきましたぁ~」 オリオンに手を伸ばし、アステリオスの手を借りながらオリオンに体を移す。さながら止り木を移る小鳥のように、オリオンの胸に抱かれた。 思わず長い腕が柔らかい体を支える。 あどけない童女の笑みを湛え、海色の瞳に「聞いて聞いて」と言う光を携えている。 シャツ越しに感じる丸い肉の感触。ゼウスが愛し、寵した熟れた果実。 自分の好色な部分が反応するが、曾祖母の笑みにそれは抑え込まれる。 碌でもないことになりようよ…… オリオンは曾祖母に抱かれながら、天を仰いだ。 アステリオスは祖母の熱が残る頭を掻いて、欠伸をしていた。 「通行人α、β、γ作戦ですぅ~」 花咲く笑みで言うのだった。 高々と聳える『子を貸し、腕貸し仕る』の背旗。 腰に佩く日本刀と脇差(模造刀)。 深い谷間を晒す黒の着流しとずれた編笠。 蝸牛の速度で進むのは、信じられないほどの大きさの乳母車だ。 「(そんな乳のデカイ子連れ狼(通行人β)とデカイ大五郎(通行人γ)がおるかァァァアアアア!!! あらへんてェエエエ!!! 見っとうよ! ロスタムめっちゃ見っとうよ! ヤベーよ! βァァ見られとうゥゥウウウ!! βァァァァアアアアアア!!)」 オリオンの心の叫びが道に谺した。 そんな曾孫の様子を無視して、エウロペは乳母車を進ませる。やはり蝸牛だ。 身長体重出身地が似通っている親戚のメディア以下の力――ヘタしたら一〇代半ばの少女以下の力である。 メディアは渡る世間は鬼ばかりを地で経験し、耐えたたくましい女性だが、エウロペは略奪愛以外不幸のなかった箱入りである。 僅かに道が下り坂になっているから少しずつ進んでいるが、二〇〇キログラムを超えるアステリオスを押すには、エウロペは非力すぎた。 「……ああ、何たることで御座る……はぁはぁ……。父を亡くしてから……はぁはぁ……うちの息子が御座る……はひぃ」 「………………ちゃーん」 「しか言えなくなったので、あぁあぅぅぅ……御座る……はひぃ」 「………………ちゃーん」 「“ちゃん”とは父の意を指す……あはん……父が死んで悲しいのは分かるで御座るが……あっ、腰がいっちゃいますぅぅぅ……このまま直らなかったら、アン、どうしよう。 例えば……」 「………………ちゃちゃちゃッちゃちゃっちゃ~~ん」 「え? 何? もう一回言って。ラップ調じゃなくて」 産まれたてのバンビの如く足腰を震わせ、編笠の下の顔は紅潮し、汗みずくになった着流しが体のラインを浮かび上がらせていた。 「このままでは生活がままならないで御座る……あ、やだ下着までグッショリ……それにちゃんちゃんしか言わないのも悲しすぎるで御座る……やだ、中身が……」 「(アンタァァァ、天下の往来で情事中みたいな声出すやへんンンン!!)」 それ以前に他の通行人がいなかったことを感謝するべきである。もしもいたら二度とこの町を歩けなくなるところであった……オリオンが。 そして子連れ狼は知る由もなかった。大五郎の口癖“ちゃん”とは、父の意ではなく、 「…………ちゃーん」 子連れ狼の兄が良く子連れ狼に言っていた 『エウロペさぁ、もっとちゃーんと自分の魅力について知っといたほうがいいぞ。それに、夜中寝てる間に寝所に入らんでくれ。兄の自制力が限界なんだ』ということを知る由はなかった。 「(どうでもいいんやけどそんな裏設定ィィイイイ!!)」 「うっぅっぅぅぅ…………」 「(え、マジで泣いとう!? あんな妖しすぎる話に同情しとう!?)」 目を覆い、男泣き――マジ泣きだった。 と、兎に角もうこうなったら行くしかなぁ。通行人αとして回覧板を速やかに渡すしかなぁ。 オリオンは決意した。 最高の狩人の気位が燃え盛り、体を熱くする。 エウロペは汗みずくで疲労しきり、アステリオスは大人しく役に徹している。 「いくぜっ! うぉおおおおおおおおお、回覧板デ~スゥウウあっ!?」 獲物に対するように。 狩人のように、円盤に見立てた回覧板をロスタムの額に投げ付けていた。 つい思わずだった。 あ…… 三人の声は重々しく重なった。 エウロペは思った。 お父様が怒る三秒前のような空気ね~。 父と母と兄の姿を思い出し、首元の首飾りを握り締めた。力尽きた。 フェニキア――それは紀元前二〇世紀から一五世紀の間に成立した地域の名である。 エジプトやバビロニアの間にある地中海の地域であり、両者の影響を受けて独自に文明化していった。 信仰対象もアシュタルトやポセイドンといったバビロニアの豊穣女神とギリシャ海神であり、独自に取り入れている。 フェニキアはフェニキア文字というオリエント文明発展のための文字を生み出した。 その文字体系は、現在の少なくない後継文字体系の始祖である。つまりフェニキア文字は、全ての文字の基礎の一つに当たるのである。 その文化的頂点に立つフェニキアに王家は存在した。 〈テュロス〉――その王家唯一の女子。 名は〈エウロペ〉といった。 エウロペは、英雄的な家系の子である。 先祖を辿るとエジプト神話の地母神・魔術女神〈イシス〉と同一視されるヘラ崇拝神殿の巫女〈イオ〉がいる。 このイオはゼウスの愛人であり、ヘラの目を逃れるため牝牛に変貌させられ、百眼巨人アルゴスに見張られ、虻に集られ、〈牝牛の渡し(ボスボラス)〉海峡の名の元になっている。 イオは散々な目にあったが、結局ゼウスの子を産むことにはなった。 エジプトに渡りそこでエパフォスを産んだのだ。 このエパフォスはエジプト王となり娘、リュビエが授かることになる。 そして、リュビエとポセイドンから産まれたのがエウロペの父となるアゲノルである。 アゲノルは、ベロスと双子の兄弟であり、フェニキアのテュロスの王で、テレパッサ、アルギオペ、あるいはベロスの娘アンティオペとの間に、 〈カドモス〉、〈キリクス〉、〈ポイニクス〉、〈タソス〉、そして〈エウロペ〉を儲けた。 子供は五人の子沢山。四男一女の子供たち。 エウロペは唯一の女子であり、四人の兄と父と母から愛され育った。 おきゃんやお転婆ともされるぐらい元気に育ったのである。 家族の愛情を受けて、エウロペはすくすくと可愛く、美しく成長した。 神の血を引くものは美しい―― 人間の想念によって作られる神は、人間の理想の具現である。 それには非人間的という形容動詞が適合し、神秘的という形容動詞すらも過剰ではない。 だが女の子が美しく成長するということは、事ギリシャにおいてある危険を孕んでいる。 好色かつ絶倫の主神――ゼウスの存在である。 ゼウスはオリュンポスの宮からエウロペの姿を見染めると一目惚れ――数えるのも面倒だが、一目惚れのときめきを覚えたのであった。 だが、イオの前例がある。 正妻の目を誤魔化すため、女を口説くためと妻への言い訳と天命の立法を同時並行で考える脳を回転させ、一計を案じた。 ある日、彼女は花畑で遊んでいた。煌びやかな宮殿より草花のある自然の方が好きだった。軍事国家の娘だが、戦いの御話は好きだがやはり自然の方が好きであった。 長閑な日和である。花々も生き生きと生い茂り、太陽は燦々と照っている。 何時ものようにエウロペは長閑に、静かに時の流れを楽しんでいた。 ――自然のままに、在りのままに。 と、そこへ現れたのは一匹の牡牛――足跡のない淡い新雪のような毛皮を持ち、透き通る玉枝のような小振りの角を生やし、優しい柔和な瞳をしている。 見たこともない程美しい白い牡牛であった。 ――雷霆を転がす者(ケルピケラウノス)、ゼウス大神の変身である。 狙われた美しい乙女、エウロペは好奇心に押されるように、摘んだ花を差し出した。 牡牛は誘われるままにその手に接吻をし、愛しげに鼻っ面を擦り付けた。 エウロペはほぼ無理やり花を口に捻じ込み、座ったまま頭を撫でる。 牡牛は苦い花を無理やり飲み込み、その大きな鼻孔を持って馨しい乙女の胸元を嗅ぐ。乙女の乳房は押されるままに形を変え、エウロペは擽ったそうに顔を綻ばせた。 「貴方はどこからきたのかしら、牡牛ちゃん」 からかう様に尋ねる。無論、天の宮からとは口が裂けても言わなかった。口一杯の草を頬張るのが大変だったからではない。 それから小一時間、角に花輪を付けて上げたり、飼い牛のように尻を引っぱたいて連れ回したり、尻尾を引っ張ったり、髭を毟ったり、と楽しい時間をエウロペは過ごした。 やがて女中の一人が、 「兄上様が馬に乗られるように、その牛に乗って見られては如何でしょう」 はらはらと見守っていた女中は、牛を安全と判断し、そのような遊びを案じた。 ゼウスは絶好の機会が来たことを喜び、水溜りの水を必死に飲みほした後、腰を下ろす。 懸垂などした事無い非力な姫を後ろから女中が支え、しっかりと牛の背に乗せる。 ――――途端、稲光の如く牛は猛然と走りだした。 驚く女中。 しがみ付く姫。 鬱憤を払うかのように走る主神。 ゼウスは考えながらあちこちを巡り――それこそ欧州と呼ばれる前の大地中を巡り走る。 エウロペの曾祖母が通ったボスポラス海峡を渡る。 エウロペとゼウスは、海の精霊達の歓迎を受けながら目指すのは大きな島。 ゼウスは考えた末に、クレタ島へと上陸することになった。 水平線へと消えていく故郷。 それが、彼女が目にした故郷の最後の姿だった。 クレタ島イデ山アイガイオンの洞―― アイガイオンとは、山羊山(アイギオン)にも通じ、ゼウスの山羊である。ゼウスは山羊とも関連が深い。盾や角などで。 基督教に例えるならマリアが泊った馬小屋。 つまり此処は、レアがゼウスを産み、その地の王家のニンフ(むすめ)やクレーテスに養育を頼み、育った場所である。 この伝説はクレタ島先史文化に関係が深い。 とても昔の時代に、この地で地母神から預かった幼神を育てるという伝説が残っているのだ。 ゼウスの産まれ、育った洞は、宮殿のように広々としていて、また飾り立ててあった。外には信仰の証として、祭儀場のようになっている。 ゼウスの娘達であるエウノミア(調和)、ディケ(正義)、エレイネ(平和)と呼ばれる〈時の女神〉が織り上げた綴織りの見事な壁掛け。 床には花が飾られ、自然の絨毯のように飾られている。 中心には極上の絹で織り上げた褥具があった。 「きゃあ!」 身震いと共に、寝具の上に落とされる。柔らかく小さな乙女の体を受け止め、撓む布地。エウロペは、何よりも先に、 「――牛ちゃん、お家に帰して…………!!」 そこにいたのは誘拐牛ではない。雷光の如き威光を背負い、神の如き黄金の御髪と髭を垂らした巨漢の美丈夫。 二メートルを越える生けるギリシャ彫刻そのものの美体。 まさしく神々の父に相応しい威風堂々とした御姿であった。 自分の血と兄妹の血を引いている為、また洞に細工をしてあったため雷神の威容を直視できるエウロペは、眼を見開き、 「―――――――――――――ポセイドンお爺さま……!!」 人(神)違いをした。 数多くいるゼウスの愛人。 その中で一番特別なのがエウロペである。 例えば、ペルセウスという英雄がいる。 彼は、神々より数々の贈り物と加護を与えられ、怪物退治に出かけ、遂には偉大なるヘラクレスの御名を連ねる系譜の始祖になった。 エウロペも彼と同種だった。 彼女は、英雄を産む英雄母であった。英雄が英雄となる前の段階、英雄を育てるという養育を担うケイロンのような教育係だった。 そして贈り物を――彼と同じく数多くの贈り物を授けられた。 鍛冶神製の青銅守護巨神〈タロス〉。 ゼウスの命により鍛冶神(ヘファイストス)によって造られた、青銅と神の食物を混ぜた疑似的な神の体と灼熱の神血(イーコル)を一本血管に流す造神である。 その軍事力、拠点防衛力は、英雄に相当し、宮殿に濠や壁が必要ないくらいである。 必ず獲物を捕らえる最優の猟犬〈ラエラプス〉。 テバイの絶対に捕まらないテウメッソスの雌狐を追いかけるまで、矛盾を主神が片付けるまでその謳い文句は事実であった。 必中不尽の無銘の投槍。 人に譲ったぐらいの逸話しかないが、おそらくは防壁の必要ないクレタ王家において個人が扱い得る優れた武装である。 他にも持ち主に抗いたい魅力を与える、アフロディテの腰帯の様な黄金の首飾り。 イデ山のアイガイオンの洞にあったモノも洞自体も与えられたし、見たこともない地方の土産や睦言での天界の話など……様々なモノを贈られた。 女性崇拝のクレタ島では、アステリオンからも愛され様々な物を贈られたのである。 クレタでは女性は崇拝し、尊敬する対象である。美しく穏やかで優しげな女性なら尚更である。 エウロペは愛された。 彼(ペルセウス)と同じく、神々の加護と祝福を与えられた。戦への加護ではなく、愛としてである。 だが、寵愛は神にだけに留まらず、王女になってからも自然に愛された。 自然信仰の家に産まれ、自然のままに――あるがままにゼウスもクレタも子供も国民も受け入れ、愛したエウロペは、自然の誰彼も愛した。 二度と故郷に帰れず、家族に会えないのを決定されたのに、何も言わず子供を愛するその姿―― 地母神そのもの、 自然の彼等は、愛募の情をエウロペに感じ、それを愛として与えていた。 ゼウス様との結婚を祝ってよかったと。私たちの御傍に来てくれてよかったと自然たちは思った。 そしてエウロペの代名詞である〈ヨーロッパ〉。 牡牛が走り回った大地に名を残す名誉。未開の地で子供たちがそこで繁栄できるという権利。兄弟と同じくEponymous Hero――開祖英雄の一人。 彼女の先祖リビュエがリビアという地名になったように、〈Europe(エウロペ)〉の名は〈ヨーロッパ〉の名となった。 そもそも考えてほしい―― 名を残すということの意味を考えて欲しい。 リビュエ、降雨を意味する名の女は、砂漠地帯のリビアで絶対的な信仰を受け、女神となっている。 今ではギリシャ神話の大系の中に組み込まれているが、ゼウスもヘラもヘファイストスも別地域、別民族の神である。混ざり合った結果我々の知る神話体系となった。 火男(ひょっとこ)のような顔をしたヘファイストスはアジア系である、という風に。 ギリシャ神話は同一視、同属性化の傾向が強い。ヘリオス=アボロンやクロノス=クロノスのように名や役割が似ていれば自然と同一視されるのだ。 クレタ島で信仰されていた地母神はレアである。レアは地母神キュベレと同一視された。またキュベレ自体、ガイアやデメテルといった大地属性の女神と同一視された。 彼女等は皆、〈大地〉に名を残し、豊穣・繁殖・生産の大地の擬神化であるのだ。 エウロペもそうなった。神の血を引き、神と結ばれ、神の子を産んだ彼女は、女神たる資格は十二分にあり、その為名を残す名誉を与えられたのだ。 人たる彼女は何時か死ぬが、神たる彼女は欧州が在る限り死なないのだ。 これが一番愛した愛妾に対するゼウスの愛でもあった。 ちなみにアジアの語源のティタン、〈アシアー〉と〈リュビエ〉と〈エウロペ〉は姉妹とする説がある。 エウロペはそれからの生活を保障してもらうため、ゼウスによってクレタ王〈アステリオン〉の元へと連れられた。 エウロペはそれによってアステリオンへ嫁ぐ事になり、クレタ島王女へと相成った。 アステリオンは凡庸な王――王子が偉大過ぎるのだが―― 王として子供の養育係を務めた。エウロペとの間に結局子供はできなかったが、ゼウスと一緒にエウロペを愛した。 神話によればゼウスとの間にできた子は三人―― 〈ミノス〉、〈ラダマンテュス〉、〈サルペドン〉の三兄弟。 彼等は皆、英雄であった。 半神を意味するHeros――英語のHero (英雄)の語源でもある言葉通り、彼等は半神半人の英雄である。血筋で言えばヘラクレスにも劣らない。 長兄と次兄はシャルルマーニュと同種の文化系英雄であり、末弟はトロイア戦争で武勇を残した武の英雄である。 クレタ島のミノア文明と言えば、考古学、人類文化学の観点からいえば、中世以降の近代に届くかと思われる文化と技術と思想を持っていた。 賢明なるミノスによる政治は、極めて高度に洗礼された政治組織を作り出し、国民から圧倒的な支持とあり得ないほどの平和的統治を作り出していた。 しかし武装と軍事力を持っていないわけではなく、それは核兵器と同じ最終手段である。 正義と善政。 武威によらないで近隣諸国を来貢させたのは、余りにも近代的だ。 それは無論、エウロペの贈り物の助力も大きいだろうが、死後冥界の大法官(裁判官)に選ばれる聡明さと公平性は、特筆すべきである。 その聡明さの基準は、今もってなお解読できない線文字Aのミノア文字がある。 近代資本主義のように、優れた技術力を持つ職人の価値を早くから知り、彼等を各地から呼び、国家の技術力を向上させた。 また、肥沃な土壌の作物と豊穣な海域の産物は、経済貿易を格段に有利にした。 経済力と技術力――及び土壌的価値の高い土地と宗教的意義のある土地 古代でも現代でもそれ等を握った国家が、繁栄してきたのは言うまでもない。 前衛的な彩色を施された壁画やフレスコ画。開放的な作りの宮殿は、太い円柱の柱に支えられた荘厳な姿である。それは後期ギリシャ文明と関連が深い。 上下水道や水洗式トイレ、浴場までも造られ、二階建ての建物が並ぶ様は、現代のギリシャの街並みと見比べても遜色は無い。 ファイストスの円盤の押印式活字印や水晶レンズ等のオーパーツが発見されるぐらいの超技術力を持っていた。 また、中世の貴婦人のドレス――その原型。 貴婦人が纏う腰を細く見せるコルセットや足首まで隠し、フリルや飾り糸縫いをふんだんにあしらったドレススカート……。 それはクレタにあった。 クレタは女性信仰の社会であり、女性を強調する服飾をする。 コルセットと同じ原理のコーセットに装飾過多な島国らしい編草とフリルのスカートは、まさしく貴婦人のそれであった。 けだし、インドやエジプト圏と同じく乳房をむき出しにした自然宗教的ファッションではあるが、文化的に頂上にあったのがクレタであるのは間違いない。 エウロペは、女性崇拝の社会構成のクレタでは、政治技術を持っているわけではないが、最高権力が与えられ、天皇の様に象徴として扱われ、 愛にも似た、神と等しい信仰を受けていたのだ。 波間に船が揺れる。 小船というには大きく、また大型船というには小さい中型の船だ。 一人、女性が甲板に立っている。 王族だけが纏えるデザインのクレタ島伝統衣装のエウロペだ。 大人の女の齢になったが、その愛らしい乙女的美貌に陰りは無い。大きな眼差しはただ一点、地平線すら見えない故郷を追っている。 「まま~」 まま――お母さんとエウロペを呼ぶ幼子の声。〈ミノス〉だ。当時五歳。 女の臍位置ぐらいの矮躯が駆け寄る。振り返ったエウロペは屈み、抱き止める。幼児の頭より大きい乳房に挟まれる形で、抱き止められた。苦しい。 「あらあら、ミぃくんどうしたの~。ラエラプスと遊んでいたんじゃなかったのぉ」 視線の先には最優の猟犬がいる。毛を引っ張られて禿が出来ていた。「ままのほうこそどうしたの。いつもいつもあっちのほーみて」 あっちのほー……故郷の方角。顔も見たこともないミノスの祖父のいる国。そして、エウロペが二度と戻れない家。 「…………あの海の向こう。ままのね、ぱぱとままとお兄ちゃん達がいるのよ」 「……おにぃちゃん?」 「みぃくんが数ヶ月前になった事よぅ。ミぃくんは、もうお兄ちゃんになったのぉ~」 ラダマンテュスは、産着に包まれ、城の乳母にて養育されている。幼子(ミノス)は理解した。 「いかないの? おふねならあるよ。ぱぱのおふねはせかいいちだってぱぱがいってたよ」 教師(ぱぱ)が言っていた事を自慢するかのように言う。エウロペは困ったように眦を下げる。 「行けないのよ。ままは今、幸せだから会いに行けないのよぅ。 あなた達に会えた幸福(しあわせ)は、会えない不幸の為にあるのだから」 幸せと不幸は、プラマイゼロ。 兄と父と国民と敵対国が危険な目に遭う不幸と安寧に委ねられた妹と母と国民の幸福。 我が子と自国の民を愛する幸福と二度と守ってくれた人に会えないという不幸。 主神の寵姫と名付けの名誉と家族の、兄弟の離散という厄。 「しあわせ~?」 「うゆ、ままは本当に幸せ」 タロスと加護に守られた箱庭の平和と安寧。今日もまた、国民を守るため不審船が鎮められる。 「じゃあ~~ぼくがままをもっとしあわせにしてあげるっ! ままがしあわせなまま、もっとしあわせにしてあげる。 ままのぱぱもままのままもままのおにぃちゃんたちもしあわせにしてあげる!!」 エウロペは―― エウロペは黙って我が子を抱き締めた。この人を思いやる気持ちを知っている子供をただ抱き締めた。 聡明なるミノスは養父の王を補助し、数々の国家と平和的交渉を行う。その国家にはテバイやキリキア人、ポイニキア人の国家名があった。 エウロペは、死ぬまでに一度も戦火も嘆きも、聡明な子供の手によって聞く事は無かった。 裏はあるが今もってなお世界平和は実現されていないから、箱庭の平和を作り上げただけでも快挙である。 そして―― 「……お願いがあります……」 何時にないエウロペの緊張を帯びた言葉。褥の上に広がる熟れた肉体。その背を見つめるゼウス。 「どうしたのかな可愛いエウロペよ。何でも言ってごらんなさい」 穏やかに言い、近づき、耳朶に触れる。愛撫だ。大きな手が小さな耳を擽る。 「贈り物をしたいのです。結婚式の贈り物を――アレス様の御息女の為の贈り物をしたいのです」 戦神アレス――その娘、〈ハルモニア〉。 その新婦の愛する新郎の名は――――――ゼウスには分かり切っている。 「……あい分かった。どのような贈り物がしたいのかね? 何でも用意してあげよう」 切ない何かを飲み込むような声。ゼウスは自分が何故こんな声を出しているのか分からない。 コクリ、と首肯し、差し出したのは首飾り。かつてゼウスが贈った黄金の首飾りである。 「……? これを? いやこれは君のモノだが」 「これは素晴らしい首飾りです。私が子供の頃欲しかった大人の首飾りです。 私の持ち物で唯一、女の人に価値を理解していただけるモノです。 ――それに私は子供達(あの子達)が幸せになればいいのです。 タロスもラエラプスも槍もあの子たちのモノになります。 領土もあの子達のモノになります。――ですが男の子ですから女の子が喜ぶ首飾りはいらないでしょう。私にはコレがあればいい――」 首元を探る手が触れるのは、磨いた木の実の首飾り――それを見つめるゼウスの目は優しげだ。 口元に好々爺然した笑みが浮かび、湧き上がる愛しい衝動と共に肩を抱いた。 「――ああ、いいともいいとも、君にあげたモノは君の自由だ。捨てようと上げようと神(わたし)は、一切咎めないし口にも出さない。 ――さあ、綺麗な飾り箱を用意しよう。祝儀の手紙も書こう。おめでたい結婚式だ。幸多からん事を!」 道化のように笑うゼウス。 振り返り顔を綻ばせるエウロペ。 二人は重なりあった。 「――――大好きですぅゼウス様…………………!」 ゼウスは、この日を記念して空に星のシャンデリアを――おうし座を掛けた。 そして、この十月十日後、サルペドンという男の子が産まれた。首飾りなんていらないやんちゃな男の子だった。 贈物の首飾りは、箱を作ってもらおうとゼウスが、アフロディテに一端贈った。何の抵抗もなく。 アフロディテのお願いするままに、不倫の子の結婚式に青筋を立てていたヘファイストスが飾り箱の作成と首飾りの清掃及び調律を行った。 新郎は、新婦に贈られた黄金の首飾りをその手で優しく付けた。 それはかつての子供時代に手作りの首飾りで、妹にした動作と酷似していた。 じゃっかじゃっかと牛頭の槌矛が磨かれる。 正座するオリオンとアステリオス。着乱れた姿で五体倒置するエウロペ。 「……めっさやべーとよ、ごっさやべーとよ。何で俺ん国の怪物譚か極東の昔話みてーになっとうよ」 「…………た」訳:食べ物? 食べ物でるの? 「……………」ぐったりしている。 「いやあすいませんねぇ、わざわざ回覧板を届けて下さいまして。待ってて下さい今、軽く摘まめる物を作りますので」 牛頭の槌矛を誇らしげに掲げ、悪意の無い笑みを浮かべるロスタム。 長年の勘で『つ、摘ままれよう! このままでは確実に摘ままれよう!』と戦慄する。 アステリオスは、床の木目を数える。 エウロペは、襟を全開にして、扇風機に当たる。 「あ、あのロスタムさん? いやロスタム将軍?」 「ロスタムでいいですよオリオンさん」 「さっきはすまんとよ、回覧板投げって。つい思わず昔の事を思い出しって」 「いえいえ、事故ですよ事故。昔の事を思い出してやんちゃになれるっていいですねぇ。私などねぇ……災厄しかないですよ」 狩人の勘が『良からぬ事をしようとしよう……災厄を起こそうとしよう!』と予感していた。 アステリオスは、天上の木目を数えだした。 エウロペは、アステリオスの裏で着替えだした。 「あの、ロスタム、ロスタム卿」 「ロスタムでいいですよ」 「いや、あの……さっき穴があったら入りとう齢で股間が停止している親父から、穴から抜けんくなってって連絡があったからすぐに行かなデンネ……切断しに」 「なんですってどうしてすぐに言ってくれないのですかっ! あの心配なんで私も着いていって良いですか?」 徹底的に引き攣った笑みを湛え、『切断するつもりとう! 俺達の生命線を切断するまで地獄の底まで着いて来るつもりよう!!』と想像する。 アステリオスは、腹減ったと考えた。 エウロペは、茶を啜った。 オリオンは、徐に手を伸ばす。伸ばした先は、エウロペの腰とアステリオスの右手首。 瞬間――獣を追い立てる健脚が、床を穿つ。 合計三〇〇キログラム以上の重量を両手で支え、一直線に窓を目指す。扉など回ってられない。 ロスタムの視線があるものを捕らえ――槌矛を投げた。 投擲――高射砲の速度に匹敵する弾丸(つちほこ)は、進路上の壁を穿つ。と、いうより爆散させた。 鼻先一寸先を死が通過。戯画の様に冷や汗を流し、彫刻の様にオリオンの肉体は停止していた。 エウロペは、オリオンの手指に潰されている乳房を気にすることなく茶を啜る。 アステリオスは、無くなった壁から抜ける青空を見ていた。 綺麗だなぁ、と与えられた知識による形容詞を含んだ言葉を思った。 「いやぁ危ない危ない。危うく画鋲を踏みつけるところでした。御怪我は御座いませんか?」 養父は亡くなり、母も亡くなった。自然のままに生きた母は、自然のままに死んだ。 アドニスの死を悼むように、自然たちもエウロペを悼んだ。 だが、嘆き悲しんだ三兄弟はしばらくすればさっぱりと泣きやんだ。 王は――男の子は、むやみやたらと泣いてはいけない。 泣いた後はさっぱりと笑い合うのだ。 彼等はそれを教えられていた。愛する者から教えられていた。 だからこれからの事を話し合うのだった。 エウロペとアステリオンとの間には、子供がいなかった。その為、ミノス・ラダマンテュス・サルペドンの三兄弟は話し合いで、次期王を選定することにした。 彼等は壮年――中年と言ってもいい年頃であったし、エウロペにとっての孫もそれなりの年頃だった。年齢に不足はない。 誰が王でも、王たる資格は十二分にあったのだ。特にミノスは、前王補佐として素晴らしい立法・政治で、数十年の戦争の無い平和を築き上げた。 しかし、些か暴力的なサルペドンでも直接的に暴力的解決や権力争いは全くしなかった。 双子座の兄弟並みに仲の良い三兄弟であった。 長男ミノスは突如、主張する―― 「我こそが神寵を受けし、王に相応しき者――」 その言葉に眉を顰める弟達。そんな弟達を兄の威厳を込めた笑みで応える。 「これよりその証明の儀を行う。――パシパエよ」 呼び出されたのは彼の妻。太陽神ヘリオスの娘。“全てに輝く”の意を持つ魔女である。 美しい妻は夫と共に証明の儀を――クレタ特有の儀式を行うことにした。 古代において、王は最高の司祭であり、王妃は巫女である。 クレタにおいて信仰対象は海、牛、女、エウロペ、大地等である。 その方法は独特だ。 信仰の象徴として祭司は儀式用の双斧ラビュリスを持ち、牛の仮面を被るのだ。そして巫女はそれを補助する役目を仰せつかっている。 いや、女性崇拝の地で巫女は、さらに神の訓示を受ける重要な役割を持っているから、補助だけではない。 ――古代宗教らしい荒々しくも躍動感に溢れた自然の儀式。 牛の仮面と双斧を持った〈牛頭なる人〉の高貴なる姿で、舞う祭司。 祝詞を謡う巫女もまた、牛の祭具を。 国民の崇拝に応え得る高貴なる聖牛の姿だった。 ちょうどポセイドンを祭る時期だったので、ポセイドンに神が犠牲の為の獣を、海底より遣わしてくれるよう祈り、求めた。 その通り海底より神々しい牡牛が――聖牛や神牛と見紛うほど美しい牡牛が現れたのだ。 誰一人として異議を唱える事無く、満場一致でミノスは次期クレタ王へと選ばれた。 しかし、ミノスはこの立派な牡牛を犠牲にすることが惜しくなり、また殺すのは忍びないと思い、牧場に隠し、他の牡牛を薬で眠らせて生贄として海に鎮めた。 公正を重んじる男が、神を欺いた罰。 たった一つの欲から生まれた罪。 神の怒りによる神罰は、彼でなく妻が受け取ることとなった。 ポセイドン自身は、夫婦間に不和ができる程度だと思っていた。牛ばかり可愛がる妻は、子供にも夫にも目も向けず、牧場に入り浸るだけだと思っていた。 しかし思いも募れば、魔法使いに近い魔女の思いは千磐破(ちはやぶる)―― 彼女の視界に映る、夫の保護した名工ダイダロス。 幼い娘たちに、空中で回る独楽や自動で巻き取る糸玉を造っては笑顔になる名工。 一瞬天地が反転した視界には、怯え切ったダイダロス。 騎士にすがる姫君のように名工の手を取り、青黒い手を目の前に持ってきて頼んだ(めいじた)。 「―――――お願いを聞いてくれるわね―――――?」 答えを聞くまでもない。 ダイダロスは、自らの不運を嘆きながら後の息子を失う運命に向かって歩き出す。 牝牛の模型は、精緻に木を組み合わせ、中に牛革を張り小部屋を造り、外には牛皮を張り付けた。 そして輝く黄色の偽眼。象牙の角。音楽的に鳴く仕組み。 名工による生きていると見紛う牝牛の模型だった。 足に車輪を付け、牧場に運ばせ、件の白い聖牛は牝牛かと思いこみ、覆いかぶさった。 ――パシパエはついに思いを遂げたのだった。 魔術に優れたキルケの姉妹であるパシパエは、異種姦するエキドナのように交わった。 しばらくして、牡牛は狂い、手がつけらない程邪悪化した。 十月十日後――悲劇、開幕。 産婆は悲鳴を上げ、パシパエは牡牛の男根の味をもう一度味わえると感慨に耽り、我が子を楽しみにしていたミノスは視界が暗黒に染まった。 子供達は卒倒し、兵士は立ちすくみ、女中は卒倒した王女達を世話した。 件の赤子は、弱弱しく産まれたての子牛のように這いずり、少しだけ啼いた。 それは、ミノスにとって聞き違える事のない――――聖なる白い牡牛の声に良く似ていた。 ああ、化物だ―― 牛でも人でもない本当の化物だ。 ――ミノスの顔は、娘を失った朗報を聞いた祖父(アゲノル)の顔に良く似ていた。 クノッソス宮殿の広大な庭園。 そこには莫大な容積と面積を持つ地下牢獄が造られた。 地上部分の宮殿には、野生動物や支流を内包する林と合体した自然的宮殿と塔があり、地下部分の牢獄は絶対脱出不可能な迷宮となっている。 名工とその息子以外には、絶対に抜け出せない奈落の道辻。 経験に富んだ老いた野生の鹿や伝書鳩ですら、絶対に抜け出せない。 これは名工ダイダロスが、王命により全力で作り上げたモノだ。彼でもある道具を使わなければ抜け出せない事を、主眼に置いて建築された代物であった。 地上部分に狂ったパシパエを精神病棟のように閉じ込める。 反省の意味を込めてダイダロスと息子イカロスを軟禁。それなりの自由な権限は与えられた。 地下には牛の忌子を幽閉した。 忌子でも殺せなかった。乱暴者の三男坊でも、不貞の妻でも身内は絶対に殺せない。 そして、そのほとんど時期を同じくして、ミノスの息子アイゲオウスが、アテナイの競技に参加中死亡した。 偉大な王にも欠点はある。好色と激情だ。 身内に理不尽な不幸があると聡明も公平性も失い、アレスなみにキレるのだ。 悲劇、続行―― 神と自然に愛されたエウロペが死んだ途端、悲劇続きだった。 聡明なるミノスは自分の所為という事が分かっていたが、それ故に分裂気味になった。 何故あの時、私は牡牛を愛したのだ。あの美しい牛の瞳が母に似ていたからか? 子供時代に見た、再び牛に変身した神父(ゼウス大神)の瞳に似ていたからか? 巨大な財産力とタロスという絶対の拠点防衛力と必中不尽の投槍という優秀な個人武器が、アテナイを瞬く間に占領した。 初めて戦場に参加する新兵でも熟練の老兵でも手に投槍を持ち、絶対に命中する弾幕を張った。 船で密航し、王を暗殺しようとしてもタロスの目は不審者を逃さず、ラエラプスは必ず捕まえる。 アテナイの王、アイゲウスは苦渋と悲嘆に暮れながらも九年ごとに結婚していないうら若い少年少女一四人を生贄として差し出すことを了承した。 その非道振りは、公正明大な王の姿とは見えなかった。 まず、一回目。これは迷宮が完成するまでの猶予を与えて、アイゲウスに決定権を与えた。 選ぶ度に、アイゲウスは寿命が縮むような痛苦を。期間が迫る度に半死人の様になっていった。 そして三回目の生贄――一八年後に英雄が舞い戻る。 何もない。 彼には何もない。 親。兄弟。自然。新鮮な空気。太陽。月。友達。流転―― 時が停止したかのように何もない。 猫の目でも見渡す事の出来ない迷宮を歩く。 彼の眼は、それでも見られるように発達した。 犬の鼻でも嗅ぎ分けられない臭気が漂う。 彼の鼻は、それでも嗅ぎ分けられるように鼻が発達した。 自らの呼吸音と水音以外に無い、耳が痛くなる静寂。 彼の耳は、それでも無音音以外の音を捕らえるために発達した。 生きていた。――生きているのか? とにかく生きていた。――在るだけなのでは? 夢も希望も何もなく、喜怒哀楽を一度も感じず、機械のようにホルモンバランスの欲求に従って食い物を口に入れ、眠る。 勃起は一度もない。 無感動に、無情動に動作する。 ギリシャ神話のカスパー・ハウザーは、唯在る―― 恐怖が身を支配する。 壁に寄り掛かった途端、隠し扉によって仲間と分断されてしまった少女。 孤独の恐怖に震えながら、松明を片手に歩き続ける。 灯に照らされる迷宮の壁。煉瓦敷きの床は、一部の隙もなく敷き詰められている。両脇には排水の溝があった。 壁には通気用の穴がある。作業員と此処にいる存在の為のモノだ。 と、少女の目に部屋が見えた。この迷宮に部屋は、幾度も見てきたがこれは毛色が違う。 「――――詰所?」 首を傾げながら、父親の職場を思い出す。大きな机に多数の椅子。そしてコップや皿類。 詰所だった。 ならば壁に備え付けられた二つの扉は、掃除用具入れと便所か。 「――もしかしたら!」 生気の無かった顔に光が灯る。もしかしたら作業員用の地図があるのかもしれない。そしたら―――― 希望は無残にも打ち砕かれた。地図など欠片もない。唯在るのは男所帯の汚い便所と汚い掃除用具だけだった。 「……そうだよね……」 都合のいい事など無いのだ。仮に出られても兵士や住民に見つからず、家に帰る手段など有りはしないのだ。選ばれた時点で墓場はここなのだ。寝台ではないのだ。 無言で部屋を出る。落ち込みと不安が体を震わせる。 「……やだ」生理現象だ。丸一日近く歩き詰めなのだから当たり前である。 密閉空間で生理現象を処理するには労力を要するが、誰も来ないところである。詰所の入っただけで窒息しそうな腐海の便所は入りたくない。 幸い排水路も排水溝もある。そこらの茂みで平気で用を足す時代の少女だ。排水設備がある所で用を足すだけ文明的である。 喉が渇いても尿は出る。何処かしらの水音に向かって進んでいたが、一向につかない。 作業員が使った水飲み場くらい見つかりそうなものなのだが、見つからなかった。 からからになった喉を潤す父の顔を思い浮かべる。排水溝に近づき、跪いて、松明を置いた途端――――一つの影を落とした。 振り返る少女の目に映ったのは、噂通りの――――――――――――――――――― 「……………イヤァァァァアアアアアアアア――――!!!」 暗闇の中を直走る。走る。走る。逃げる為に――でもどこへ? 真っ暗闇の中走って何度も壁にぶつかった。歯が欠けて、鼻が熱い。 イヤイヤイヤイヤイヤァ―――― 既に両腿は濡れ光り、独特の臭気に塗れている。そんなことも気にならない。 何度も転び、その度に立ち上がる。 七転び八起き。 八回目に起きたら今度は目の前に、階段があった。 面白いくらい毬の様に弾み、転がり落ちる。軽い体は煉瓦に叩きつけられる事無く、水に受け止められた。 波紋と水柱を現す水面。過呼吸の肺に水が殺到する。痙攣の様に暴れる手足が体を浮かび上がらせる。 どうやら此処が目指していた作業員の為の水飲み場らしい。少女は必要以上に飲んだ水を吐き出しながら、煉瓦敷きに横たわる。 「ぜひゅーぜひゅーぜひゅーぜひゅー」少女の可憐さなど欠片もない仕草で酸素をむさぼる。乱れた裾から延びる足は痙攣し、根元を晒している。 …………いない? もうこない? 涙に滲んだ視界には、光ファイバーの原理で外の光を僅かに取り込んだ水による明りがある。明りと言っても猫でもなければ視界は確保できないが。 「うぐ……ぐすぅ……」涙を拭いて上半身を上げる。今更ながら擦り剥いた手足やぶつけた顔に痛みが走っていた。 強く目を擦った手が触られた。まるで、温度を確かめるように触れられたのだ。 「―――――え?」 幽霊のように牛頭人身の化物がいた。さっきまでいなかったのに今はいた。見えないのが一層の恐怖を助長させた。 「――――イヤァァアアアアアアアア!!」 悲鳴が上る。牛の瞳は一揺らぎもせず、少女を見つめる。 ――ヤメテヤメテヤメテヤメテ。 べたべたと知らないモノを触れるように、温度を確かめていく。瑞々しい腿に触れた時点で脱糞された。裾が茶色に汚れる。 ――コナイデコナイデコナイデ。 心臓は一定のリズムで鼓動。瞳は、女陰すら映しているのに体温すら上がらない。砕いても潰してもいないのに、腹に触れたら反吐を出された。 ――オネガイオネガイオネガイ。 瞳には不可解も怪訝の色もない。ただ胎児記憶でしか知らない人肌の温もりを確かめる様に顔に触れる。噛まれた。 「死ニタクナイィィィィ!! ドボヂデアンタナンカニィイイィ!!」 骨のように硬い指を噛む度に歯が砕けて、さらに醜い形相になる。歯茎から出血が、舌が千切れて血が噴き出す。 自らの体液と肉に溺れて少女は息を引き取った。もう、恐怖する事はない。忘却(レダ)の河で水を飲み、全てを忘れ去るだけだ。 動かなくなった少女を持ち上げる。揺り動かす。グラグラと首が動くのを見て、髪に手を伸ばす。 自分の頭に生えているものと一緒……という感想を辛うじて抱いた。手と足を見て形が一緒という感想を微かに抱いた。 階段を上り下りする為に学習した二本足で立つ、という動作をする。 彼は人間を食うか、食わないか分からない。 自分の体と同じ形をしたものを食うという事は、自分の手足を食うという事にも繋がりかねない。それが彼には在り得る。 とりあえず彼は、水や壁より温かいもの――嫌な匂いのしないものは口に入れる。 胃は生理反応で胃液を分泌し、消化する。 水に顔を突っ込む。飲む。魚を齧る。葉っぱを齧る。草を齧る。果物を齧る。泥を齧る。 食っていない。食うという活動ではない。 深海魚や家畜の食事風景でももう少し温かみと生きている感じがするモノだが、彼には微塵もそれが感じられない。 補給だった。繰り返す補給だった。外から流れてくる柔らかいモノを齧って、寝る(意識を落とす)。 それの繰り返しだった。 少女の死体を食うか分からない。そもそも出会う事すら稀だ。この広い二万平方メートルの宮殿地下の迷宮では、餓死する確率の方が高い。 少年達は、迷宮に食われるのだ。食われて骨に成り、大気に溶けるのだ。 あと九年――あと九年で彼は、英雄と出会う。 齧る。飲む。齧る。飲む。齧る。飲む。後八年。齧る。飲む。齧る。飲む。齧る。後七年。飲む。齧る。飲む。齧る。飲む。後六年。 齧る。飲む。齧る。飲む。後五年。齧る。飲む。齧る。飲む。齧る。後四年。眠る。齧る。飲む。齧る。後三年。飲む。齧る。飲む。 齧る。飲む。後二年。齧る。飲む。齧る。飲む。後一年。齧る。眠る。齧る。眠る。来た―― 慎重に迷宮を進む一四人の少年少女。皆が皆不安を顔に張り付けている中、一人だけ堂々と先頭を進む少年がいた。 背の低い少年である。年の頃は、一五、六くらい。短躯だがたくましい体付きをしている。英雄となる前のテセウスである。 腰には剣を佩いていた。あり得ない事である。王は贄となる少年達に武器の携帯を許可していないのだから。 これは、少年の倍は年を食った王女から譲られたものの一つだ。無銘の名剣であった。 あの、おばさん……同情してくれたンかな。そィとも…… アリアドネーが聞いたら激怒しそうな代名詞を使う少年であった。剣に視線を落とし、続いて最後尾の友達が持つ糸玉を見る。 まだ余裕がある。視線を前に戻した時、彼の直感が囁いた。街道の外道どもと相対した時にも囁いた直感が、だ。 「止まれェや」 囁くように命ずる。少年達は、不安に震えながら止まる。 テセウスは、松明を床に置き、宣言する。 「――オレがあいつを殺す。お前らは下がっとれ、ほいで絶対に声ェ出すなや」 そうだ。オレはあの怪物を殺すんや。国(うち)の民を食いやがった下劣で、凶悪な怪物を――! テセウスは父王から聞かされていた。 その怪物は、牛と人の禁断の交わりで産まれ、産まれてすぐに迷宮が建造され、幽閉されたのだと。 下劣だと。最低だと。凶悪だと。悪逆非道の化物だと、そう思っていた。 二八人の人間を食い殺しくさった化物だと。 こんな所に幽閉されて、鷲の啄みと無限岩運びの如き責苦を受けて、当たり前の存在だと、思っていた。 「…………………………………っっっ!!!」 松明を転がす骨の様に硬く、筋張った人間の手。握れば本当に骨の様になるだろう。肌は余すことなく埃と垢に汚れ、青白い肌を覆い隠している。 まるで元から茶色だったように見える肌の下には、信じられないほど発達した筋肉の隆起が全身を覆っていた。 人の骨格でありながら牛骨の太さを兼ね備え、筋肉の鎧と筋肉の重装甲を纏った重騎士のような体格。背も図抜けて高い。 同じように汚れ塗れの顔は牛そのものだ。そそり立つ角は、雄々しい三日月。頭頂部から放射状に、長大な白髪が伸びている。それだけが白い。 異形の化物。 だが、街道の外道どもを屠った半神半人が、悲鳴を上げそうになったのはそこではない。 眼だ―― 何も映していない。何も感じていない。何の色も湛えていない。何も行っていない。何もしていない。何も――抱いていない眼(虚無)だった。 殺意も悪意も害意も敵意も好意も善意も無い。 虚のように墜ちていく赤褐色の色。闇に空いた硝痕。 街道の外道どもは、分かりやすい邪悪だったが、彼は違う。 水鏡よりも透明で、夜よりなお昏い、白無垢の心。――無の黒白。 テセウスは元よりこの時代の人間でも神でも知らない一人の少年。 その少年の名を肖った症候群――〈カスパー・ハウザー症候群〉 人間の尊厳を徹底的に辱めた際に成る病。自己も自我も感情も枯れた無明の荒野。 少年の心に、吐き気と怒りが湧き上がった。――コイツは悪うない。 そもそも産まれてすぐに幽閉されるなんて――――どういう冗談や! 彼に何の罪もない。清廉潔白の無色透明。聖人+仙人+赤子=ミノタウロス。 ――――外道がっ!! 何故殺してやらへんかった!! 自分の罰の結果に蓋して、満足かっ!? 蔑む眼で少年達を見ていたミノスを心の中で、百辺殺す。 彼は、哀れな忌子は、悲しみと怒りを湛えるテセウスに視線を移す動作をする。 迷宮完成前に行った、自分と同じ形の体をした温かい物体に手を伸ばす――乳児期の反射行動染みた動作を行う。 ゆっくりと伸ばされる巨大な手。抜刀している人間に恐怖を抱かない。恐怖とは何なのか分からない。 腹は括った。テセウスの体が霞のように消え―― 撞球の様に壁と天井を跳ね、完全な視覚に移動する。 ――暗殺とは、見られてからでも行える。不意を打ち、弱者が強者を倒す技術の事だ。 首筋を狙って袈裟に剣が降る。 ――苦しみもなく、気付かせることなく終わらせる。それが暗殺だ。 全体重を込めた鋭い刃は、左頸動脈、頸静脈、食道を切断し、頸骨に止められた。頸骨と刀身に罅が入る。 首の筋肉が、怪物の怪力を持つ筋張った頚筋が反射的に剣を噛み締めたのだ。 「―――――!」 信じられない顔をするテセウス。 弱い、弱い悪人。弱いからこそ人は悪に走る。弱いからこそ半神半人でも発展途上の少年に屠られる。 だが、彼は怪物だ。そう望まれた。だから最初から強い。一流の怪力家だ。 切断できなくても頸動脈を切れば大量出血は免れない。鉄砲水の様に血液が噴出し、巨体と迷宮を濡らす。 自らを濡らす自らの雨にも彼は無感動だった。ただ、産まれて初めてする――他人に声を投げる、という動作をする。 「……………………あ」言葉を知らない。習った事は無い。他人の声を聞いただけだ。 「………………うぉおおあああああああああああ!!!」 鬨の声が迷宮に響き渡る。 テセウスは天井に着地。床に向けて――理念は落下速度と跳躍力を加えた頸骨折。 それに一切の抵抗と反応の動作を見せず、初めて感じる激痛とそれを消す体内物質信号の暴走にも意識を奪われる事もなく、 ただ動かしにくい首を動かして上を見た。 視線の交差があった。 お互いの感情を理解する事は永遠に無かった。 頸椎が粉砕される音と脊髄が分断される音だけが、無明の迷宮に消えるだけだった。 堂々たる体躯の王が、一人墳墓の前に立っている。 公平なる統治と善政を行ったミノス王だ。だが、六尺を軽く超える肉体が童の様に小さく見える。 墓石に手を添える。テセウスが脱出した後の事を、王として行った自らの手だ。 「…………母上……」声を絞り出す。その表情は伏せている為、読みとれない。ただ声を絞り出す。 「母上。私はどうすれば良かったのですか。あの日あの時どうすれば良かったのですか」 母。地母神となった母。聞いてください。 父に似た好色。叔父に似た激情。それらをしっかりと自覚する聡明さ。 感情の向くままに幽閉と贄を決定した。王の言葉は誰彼にも絶対だ。自分も縛られる。 王の言葉に誰も答えなかった。 葬送の鐘も無く、葬列の人々もいない。 誰も彼も彼を化物として扱い、罪の有無を見ようともしない。 忘却の河水を飲む必要もない、何も無かった人生。 大地の化身である牛の頭には、思い出など――憶えていたい記憶など無い。 大地の底の底―― 深き昏闇の冥府を抱擁するエウロポイヤに抱かれ、彼は何もしなかった。 世界には、大地には――〈アステリオス〉と名が刻まれた。 「私はねぇ……償いたいんですよ」 訥々とロスタムは語りだす。 「こんな図体の無駄にでかくて、顔の厳つい大人に育ちましてね。私に惚れてくれた人だって最初怯えてましたよ」 「ですがねそんな幸せの芽も自分で摘み取ってしまいましたよ。本当に自分の手で摘み取ってしまった…………だからその償いがしたいのですよ」 ロスタムは、貰泣きするやくざの様に眼を覆う。 「何をすればいいのか分かりません。ですがあの子に、父親の事を恥ずかしい人間だと思って欲しくないんですよ。 立派で優しく、それでいて勇敢な父親だとねぇ……はは、すいませんお恥ずかしい……こんな厳つい男の話す事じゃあありませんでしたね」 オリオンは、 ……すんません。めっちゃげっちゃ怖ェーとよ。 獲物を目の前にした獅子の様なロスタムの顔を見て、正直に思った。 そして――ロスタムの――イラン叙事詩シャー・ナーメ最大の英雄の物語が始まる。 「(違うだろォオオオオオ!! 流れ的に俺の過去編だっとよォオオオオ! 何でいきなしロスタムの話が進むとォォオ!!)」 だって、アンタの逸話と星を関連する作業めっちゃ大変なんだもん。それに神戸弁なんて一度も聞いた事無い方言を使う設定もむずいし。 「(自分で決めたんだろうようゥゥウ!! えーから始めんかいぃぃいいいい!!)」 語尾ャーにすれば良かったと思う……始まり始まり。 「(グダグダとよォォオオオオオオ!!!)」 彼には〈最古〉という形容詞が付く。それは彼が遥か昔から――火を起こす術を知らなかった時代からいたからだ。 いた――あったのである、彼は。彼の姿は天空に、七つの星の図として―― その星座が、狩人の姿として見られていたのは、ギリシャ文化で、である。 シュメールでは羊。古代エジプトではオシリスの光。日本では毛利家の家紋。 中心に三つ星。四方を囲む四つ星。そして、周囲を取り巻く星々と星雲。 美神に祝福されたが如く美しく、優麗な星の幾何学。 幾人もの詩人がその星の事を謡った。 幾人もの船乗りがその星の事を目印にした。 幾人もの占星術師がその星の事を詠んだ。 数え切れない人々に慕われ、アッカド語で〈アンナ(天の光)〉、古代ギリシア語で〈尿(ウーロン)〉の名の由来を持つその狩人は受肉した。 星を詠む、星を語る、星の動きに由来する逸話と伝説を揺籃とし、天文学によって彼は伝説を刻むのだ。 それが――星界の猟人〈オリオン〉である。 オリオンは、逸話と同じくらい父と母とするモノが多い。ギリシャの多民族性と文化混合性の弊害である。 尿・雨(オウリア)の名の起源を取るなら、ある日牡牛の皮にゼウスとヘルメス、ポセイドンが尿及び精液を掛けて、 それを大地に埋めたところ――そこから赤子が産まれたという逸話だ。 ガイア母説。ティタン族一柱説である。 ゼウスを父とするのは天を行くから、好色だからであり、ヘルメスを父とするのは旅人になり、多数の地方に足を運び愛を楽しんでいるからであり、 ポセイドンを父とするのは、荒れる冬の天空に何も変わらず天の海を行くその姿から考え出された。また、それが水上歩行能力の起源である。 水星、木星、海王星とオリオン座が重なるのを何らかの手段で知り得た古代人の想像から生まれたのかもしれない。 ポセイドンを父とし、ミノス王とニンフとの間に産まれた庶子エウリュアレーを母とする説もある。また、アマゾン女王を母とする説もある。 ミノス孫説。アマゾン王子説である。 先程の尿説で牡牛の皮を使ったところにミノス王の関連がある。ミノス王は牛頭人身(牛仮面)の雄々しい姿で祭儀を成す。 牛はミノス王の子供といっても差し支えないのである。だからミノス王の子供=牛であるのだ。また、オリオン座はおうし座と向かい合っている。 アマゾンについてはオリオンの野性性やその逞しさに惚れ込んだアマゾンの詩人の創作であろう。 そのように数々の父と母が造られたオリオンは、ボイオティアで全く話に残らないで育った。まったく幼年・少年時代の話は無い。赤ん坊の姿すら無いのであった。 と、いうよりモデルとなった人物すら分からないし、いないのである。 エウロペは、怨恨からクレタの人々に誘拐された女性がモデルであるし、アステリオスについては、捕虜を虐待した将軍がモデルだとされる。 だが、オリオンにはそういったモデルとなる人物が無いのであった。 聖ジョージのような完全創作英雄なのかも知れない。 星空という自然の書物で、吟遊詩人に謡われる為だけの主人公なのかも知れなかった。 繰り返すが出身地は三神の場合もミノス王の場合でも出身地は、ボイオティア(牡牛の国)というカドモスがアポロンに信託を受けて興した国である。 カドモスが繋がれていない牛の後を辿ってそこに国を興すように命ぜられたのだ。 そして後に彼はカドメイア(後のテバイ)を興し、数々の不幸と災厄に見舞われることとなる。 オリオンは、顔も知らない曾祖母の兄の土地で育った。早くから早熟かつ好色だと言われ、性質は父によく似ていた。 また、顔立ちはこの上なく美しく、雄々しく粗野な魅力に溢れ、体躯は大きく雄大な力を有していた。 巨人の様に怪力を発揮して、イタリアとシチリア島の間、ザンクレー(メッシーナ)の港に大岩を引き摺って建てた堤防がある。 オリオンは、この海峡の入口にペペロンの岬を築き上げ、ポセイドンの社を設けた。 そのような怪力かつ父思いで早熟な若者は、狩人を職としていた。 多くの詩人が謡う様に、その業前はヘラクレスやパリスに匹敵する領域にあった。 好色な者が考えることはただ一つ――美しい妻を娶る事である。自分が浮気しないかは問題にしない。 鹿狩りに来た彼が目に付けたのは、イオニアのキオス島の王家。その姫〈メロペー〉であった。 姫であるから当然の如く美しく、またディオニュソス(十二神)の血を引いているからさらに神々しい。 「――惚れた。オレの妻に成れよう」田舎者丸出しである。 王の血を引いてても庶子である為、権力など微塵もない、木の如くデカイ男など父王(オイノビオン)は歯牙にもかけない。 しかし逞しさは気に入ったし、巨人に対する恐れもあった。 「条件を飲んだのなら考えてやろう」“考えてやるだけ”のことはしたのだ。 そしてヘラクレスみたくライオン退治にする事に成ったのだった。 結果は一撃で決まった。 オリオンの拳一つで、ライオンは空高く舞い、父王と娘は呆けた顔でそれを眺めていた。 皮を剥ぎ、それを王に献上。その皮は以後、オリオンの手に飾られている。 “考えておくだけ”で、何とかなあなあで済まそうと思い、また折角の客人なので酒宴を開き、酒を振る舞うことになった。 ――これが失敗であった。 酒の神の裔は、酒をいくら飲んでも気持ち良く酔える。だから加減というものをしらなかった。オリオンも知らなかった。 悪酔いし、前後不覚となったオリオンは寝所に忍び込み、メロペーの(或いは他の娘か王妃か父王)を姦通してしまったのだ。 可愛い娘の暴行に怒り狂ったオイノビオンは一計を案じ、滝の様に酒を――それもディオニュソス謹製の特別酒を振る舞い、飲ませ完全に酔い潰させた。 そして野性的な魅力に溢れた両の眼を潰したのだ。 これが天空でオリオンがいなくなる季節――春から夏に光を失う事の比喩だと言われている。星辰者の消失である。 お告げがあった。信託である。 『上る暁の光(サフラン)を目に浴びせれば再び光を取り戻すだろう――』 その言葉を受けオリオンは、一縷目指す。 光を浴びに、再び光を取り戻すために。 盲したオリオンは地面を這いずり回り、レムノス島のヘファイストス鍛冶場の音を聞き止めるとそれを目指した。 そこで工人のケダリオンの小さな体を従えて、東の国への案内をさせたのだ。 東の国に進むという事は、東を向いているという事。 オリオン座が払暁するように、東へ向かい、曙の光を目に当てて視力を回復したのだ。 その様子を見ていたのがサフラン色の衣を纏い、薔薇色の指先をした女神〈エオス〉である。 類稀なオリオンの美貌に、恋多きその女神は惚れ込んだのだ。 サフラン色、つまりアヤメ科多年草の泪夫藍の事である。 曙色――黄みを帯びた淡紅色とは、赤・朱・紅――薔薇の様なアカイ色である。 その色は、サフランの花柱の色に酷似している。 そこから天体の可視光線と止血剤や化粧品にもなるサフランと対応させて、この逸話が生まれたのである。 “曙は傷を癒す験光である――”と。 そんな花の様に可憐で、太陽神(ヘリオス)の先駆者として空を行く女神は――胸をときめかせた。 その入れ込みようは半端ではなく、エオスが早くオリオンに会いたいが為、また払暁するオリオンに会う為に仕事を早く切り上げてしまうほどだった。 その為オリオン座の出る季節になると日が早く沈むのである。これはその故事である。 晴れてオリオンは、エオスの愛人(ジゴロ)になった。だがこのジゴロ――大人しくなどしていない。 まず復讐を考えていたが、したたかなオイノビオンは地下室に隠れてしまって手が出せなかった。 また、強姦したから罰も悪く、その為これ以上キオス島には居られなかったのだった。 オリオンは気持ちをスッカリ仕切りなおして、愛の狩人としてナンパをする事にした。 “強姦は駄目、ナンパはOK”という自分哲学を掲げて、鼻歌交じりに女を求めて彷徨い歩く。 鳥が美味い虫を啄む為に木の穴に嘴を突っ込むように、彼の股間の嘴は獲物を求めて右往左往していた。 嘴が指示したのは七人の乙女。 プレイアデス。昴。アトラスの娘達。 〈アルキュオネ〉〈メロペー〉、〈ケライノー〉、〈エレクトラ〉、〈ステロペ〉、〈タユゲテ〉、〈マイア〉の七人姉妹。 彼女等は、星の動きと位置によって星空の伝説に登場するに至る。 その様はオリオンが彼女等を追っている様に見える天球図からその伝説は知れる。 繰り返すが好色だが、強姦は嫌いなオリオンは、美貌を輝かせてナンパをするのだった。 「おーい、お嬢さん方ちょっと遊ばないかよう」 逃げられた。 「つれない事言わんといてよー」 しつこい男であった。一年もエオスと愛人生活というかヒモ生活をしながら追いかけたのだ。エオスは無論気付いていない。 そこで自分の事を棚に上げたゼウスが娘達を哀れに思い、天空のシャンデリアに掲げたのであった。 オリオンも星に変えられそうになったが、拒否し一応席を取っておくことで問題は解決した。 ゼウスは、自分と同じくナンパ好きの彼に共感を覚え、プレゼントを贈ることにした。 彼の足もとに御座す白銀の星。猟人にとって伴侶よりも深く繋がる立場にある存在。猟犬である。名はギリシャ語で〈セイリオス〉。シリウスである。 次に可愛い娘を奪った謝罪として可愛い“兎”を与えた。とても愛らしく可愛らしい兎である。 げっちゃ可愛ぇえとよ。思い、また女の子にもっとモテルだろうと思った。兎を出汁に使うつもりである。 そしてオリオンは地上で悠々自適にジゴロ生活を続けるのであった。 顔も知らない祖父の故郷、クレタ島での事である。 クレタ島は、クレタ王家は窮していた。偉大すぎるミノスが死に、タロスはメディアの姦計に倒され、ラエラプスは石に成ったからだ。 盛者必衰であった。 偶々そこにオリオンはいた。狩りにである。 獲物を探し求めていたオリオンの眼にある女の姿が映った。 流れる月光のような銀の御髪。それを飾る月桂冠。 銀嶺の鼻梁に、三日月を描く眉。蕾の様に麗しい唇は、一度も汚された事はない。 狩人の毛皮服は、瑞々しい腿を晒し、柔らかな脹脛を具足で覆っている。 月光の女神――〈アルテミス〉であった。 セイリオスは愛しい獣の女神の匂いに興奮し、兎は平伏した。 相手は女神である。ただ頭を伏して、了解を取るまで動かないのが礼儀。 だがこのオリオン。この女神の裸を見たアクタイオンを素直に羨ましいと思い、男として感無量だと勝手に思い、 何故記憶共有の呪いが出来ないのだと血涙を流す益荒男である。 セイリオスの手綱を握り、兎を肩に乗せオリオンはアルテミスに近づく。 気がついたアルテミスは、振り返る。肩に掛けた矢筒から矢を取りだし、弓に番える。 「――止まりなさい。気配を消して近づくのは誰ですか?」 警告。静かに近づいてきた大男に檄を飛ばす。そんなアルテミスにオリオンは穏やかな笑みを浮かべる。 「こんにちは、女神さま。私――オリオンと申します」 その美貌。巨人と相反する穏やかさ。逞しさに、処女神の胸が高鳴るのを小鳥は聞いた。 オリオンのナンパは大成功。誰一人として靡かなかった女神の心を掴むという名誉を手に入れる事となった。 永遠の処女をいきなり抱こうとは思わない。 彼が好きなのはナンパ。だから女性との語らいを楽しむのであった。 海を歩きながら隣を馬車で行くアルテミスと会話を楽しむ。 「今何が欲しーとよ」「白い毛皮の服です」 バタフライで逃げ出す兎を瞬時に捕まえ、「お前じゃ彼女の帽子ぐらいにしかならねえよう。愛玩兼非常食なんだから大人しゅー空気読めよう」 空気を読んで死んだ魚の眼をしだした兎をほっといて、会話を楽しむ。 と、そこで聞いてはならない事をアルテミスは聞いてしまった。 考えようによっては当たり前の事であるが、ナンパ中の男に聞いてはならない事であった。 「――貴方の業前はどのくらいですか?」 男オリオン。女性を前に大人しい事を言うつもりは毛頭ない。 「この世で射とめられない獣はいやしませんよ――」 決定した。 彼の運命は決定した。 モイライが綴り織に、死の運命を刻み込む。 傲慢な一言を聞いて憤ったガイアであったが、愛息の事だから一度くらい多めに見てやろうと思った時だった。 肩を叩かれる。 振り返るガイア。そこには、アポロン。見知らぬ男と妹が仲良くしているのが激しく気に入らないアポロンがいた。 アポロンは、その美貌を使いガイアに姦計を吹き込んだ。 アルテミスと別れて数日後の事である。 キオス島でデートという名の狩を楽しんだ数日後の事である。 大地より大蠍が現れた。 新芽が大地から芽吹くように鋏が現れ、甲殻の鎧に包まれた禍々しい外骨格が現れた。 反り返る尻尾の先端には、凶悪な臭気を放つ毒針。 紛う事無き大蠍である。 一八〇度違う位置にいるオリオン座とさそり座の肉薄であった。 「!」狩人の感に従い、大きく後退しながら十連射。一番危険な尻尾の継ぎ目を狙う。 その全てが弾かれた。「ィィイ!?」 牛と同じく、大地の化身である大蠍は鋏を振り上げ、高速移動を行える節足動物の足を動かす。 その速さは昆虫の反応速度そのもの。あっという間に距離を詰められる。 鋏と斧がぶつかり合う。地に足を付けていなかったオリオンが吹き飛ばされる。反転し、岩に足から着地。大急ぎで離脱した岩に毒針が突き立つ。 ――溶けやがったァ!! 岩が本当に溶けていたのだ。信じられない光景に顔を青くする。 また迫る毒針。獅子皮を広げ、セイリオスの体当たりによって毒針の振り下ろしの軌道を反らす。間一髪、顔の横を通り抜けた。 「逃げとれアホンダラァ!!」 渾身の力で眼球に剣を突き立てて、柄頭に棍棒を打ち付ける。――杭打ち! 剣と棍棒の方が砕けた。オリオンは悟った。 ――コイツにオレの武器じゃあ勝てん。 オリオンは騎士でもなければ戦士でもない。獣と命をチップにした駆け引きと勝負をする猟人である。 一目散に逃げ出した。海に向かって走り出し、鋏が足を掴む寸前に海に飛び込む。 海上を走れるが、もしものことを考えて暫く海底を走る。海底の泥を掻き乱し、巨体を一心不乱に振って、息の続くまで走り抜けた。 目指すは東。暁の方。払暁の情景。 困った時の神頼み。ジゴロは困った時の女頼み。 アイツに勝てる武器を貰わなアカン。あんな剛い化物を放っておいたらキオス島の人間が食い殺されるよう! 海面を飛び出し、体全部を出す間も惜しんで暁を目指す。 頭だけ出す姿は、海底に足を付けて行進する大巨人の様に見えた。 黄金の光に照らされたオリオンの美貌は、一個の黄金の様に見えた。 アルテミスはアポロンと一緒にいた。構図は悪い男に引っかかった妹を窘める兄の図である。何時もは悪い女に引っかかった兄を窘める妹の図である。 「一体彼の何処がいけないのです。確かに頭悪そうですが。実際悪いですが、あんなに悪く言う必要は無いでしょう」 「確かに頭悪そうだが、そういう事を言ってるんじゃない。お前は処女の誓いを忘れたのかと聞いてるんだ」 口が軽い=頭悪いの方程式で、オリオンを評価していた。 「それは……忘れたわけではありませんが……」顔を赤らめる。 「………………」顔に不愉快な青筋を立てる。 意見は平行線。兄妹はすれ違う。兄の視線が自然を装い、海の輝きに移動する。 「……何だあれば? 妹よあれが何か分かるか」 「…………? 黄金でしょうか?」 煌めく海とそれ以上に煌めく何かの塊。移動しているぐらいしかわからなかった。 「……そうだ! 妹よ、おまえの処女神として、狩猟女神アルテミスの実力を見せてくれ。処女神と狩猟女神で等しい存在であるお前の実力を」 「……分かりました。それが私の処女神としての業前の証明になるのでしたら幾らでも」 銀の弓に銀の矢を番える。 見えにくい。光が反射して狙いにくい。余ほどの業前の人でも難しいだろう。 だが彼女は弓の女神。 三日月を弓とし、月光を矢とする女神。 放たれる銀の矢。金の光に飛び込み、正確にオリオンの米神を貫いた。 「………………………………………………オリオン……!」 アスクレピオスの治療も大神ゼウスによって拒否され、アルテミスは泣き暮れる。 思えば彼女が一人の男性の為にこれほど泣くのは初めてであった。 彼女の泪が新たな神話を創造するくらい泣き、アルテミスは伏せた顔を上げて言った。 「……彼を星に。私の傍に。空の天井に。月と寄り添えるよう星界の住人に。星辰者へとして下さい」 その願いは叶えられ、彼は星辰者へと相成り、相棒と愛玩も一緒に天へと掲げられた。 蠍は女神達の手によって遠くに引き離された。蠍は夏。狩人は冬。 星の海を行く狩人は、雄々しく楽しく歩き、犬と兎を連れて昴に色目を使い、月光に叱咤されながら暁の家へと帰っていく。 以上で、古代人が星辰に思い描いた書物の物語の一つが終わる―― 夕焼けに染まる町を三つの陰が歩く。 「良い話が聞けましたねぇ~」 「…………うん」 「オレは疲れたとよ」 三者三様の表情を浮かべ、街を歩く。 アステリオスは肩に祖母を乗せ、オリオンは曾祖母の話に適当に相槌を打つ。 夕焼けに染まった月が彼等を見下ろし、遥か彼方の木星には大陸の名を冠する衛星が踊っている。 入り組んだ迷路のような道を曲がり、家路に着く。屋根は曙に染まっていた。 FIN あとがきという名の駄文 過去編があるので、あくまでホロウ風です。そう言い張る。後でオリジナルのステータスと次の話しだします。 エウロペ:身長体重変更なし。スリーサイズ:B107W59H88。役割:天然(ボケ役)。 体型イメージ:SQUEEZの柊涼子等SQUEEZキャラ アステリオス:身長体重好みにより変更。役割:乗り物。マスコット。体型イメージ:バキ外伝のレックス。 オリオン:体重変更。役割:ツッコミ役。体型イメージ:荒川アングラのシスター。神州世界対応論により神戸弁=神戸牛。他のギリシャ勢もあの論で、方言使わせよーかな。 ※参考文献 “バーナード・エヴスリン ギリシア神話小事典”“呉茂一 ギリシア神話”他エウロペ、ミノタウロス、アステリオス。 テセウス、オリオン、シリウス、タロス、ミノス等を検索した結果。
https://w.atwiki.jp/ut-urbanplanning2012/pages/20.html
FollowMe!! Twitterやmixi、Facebookなどのアカウントをみんなにフォローしてほしいという人はどうぞアカウント名を書いてってください! Twitter→@pakuriman、mixiはニックネームShichiroでやってるのでよろしければ。こんな感じでみんなフォローし合えば楽しいんじゃないかな!笑 -- N.Takizawa@web長 (2011-10-08 00 47 48) twitter→@kunto211,mixi→kunto,facebook→本名 です!フォローしてねっ mixiは最近全然使ってないけど -- kunto (2011-10-08 00 52 11) 名前 コメント